米アラスカ州ケチカンで2024年8月25日、地滑りが発生し、1人が死亡、ほか3人が負傷した。土砂は急斜面を崩れ落ち、アラスカ州南東部にある同市の複数の住宅を直撃した。

地滑りは森林が密生する斜面を切り裂くように進み、付近の住宅60戸に強制避難命令が出された。当局によると、住宅4戸が深刻な被害を受け、近隣の建物についても引き続き被害状況が調査されていた。また、複数の住宅や事業所から浸水被害が報告された。

AP通信は、犠牲者を市公共事業チームに17年間勤務していたショーン・グリフィンさんと特定した。グリフィンさんは同僚と雨水排水口の清掃をしていた際、地滑りに巻き込まれた。ケチカン・ゲートウェイ郡の書記ケイシー・パクストン氏によると、グリフィンさんは予定されていた休暇中にもかかわらず支援要請に応じており、日常的な自治体業務が死者を出す緊急事態の一部となったことを浮き彫りにした。

地滑りは雨の週末を経て発生したが、この地域は8月としては異例に乾燥していた。米国立気象局によると、ケチカンでは約36時間に約2.6インチの雨が降り、標高の高い場所では5~9インチに達した。気象学者のアンドリュー・パーク氏は、強風など通常みられる警戒兆候の一部がないまま地滑りが発生したと述べた。

住民らは斜面が崩れた瞬間について語った。リア・ヘイゼル・キャンフィールドさんは、自宅が揺れ始める前に閃光を見たと話した。キャンフィールドさんは配偶者と犬を連れて脱出した後、近隣の住宅が斜面下へ落下し、がれきや木々、電柱が自宅の屋根に落ちていたことに気付いた。

緊急事態当局は非常事態を宣言し、ケチカン高校に避難所を設置したほか、日曜夕方までに一部地域への電力供給を復旧させた。ほかの地区では、作業員ががれきを撤去し、折れた電柱を交換する間、停電が続く見通しだった。当局によると、ほかのすべての人の安否は確認されたが、避難を余儀なくされた住民の正確な人数は不明のままだった。

AP通信の記事は、この地滑りをより広い地域的背景の中にも位置付けた。アラスカ州南東部では過去にも死者を出す地滑りが起きており、2023年にランゲルで発生した災害では6人が死亡した。記事は、急峻な地形での地滑りは大雨、土壌の飽和、斜面の不安定化によって引き起こされ得ること、また一部の地域社会では気候変動によってリスクが高まっていることを指摘した。

こうした広い背景が、目の前の事実を変えるわけではない。地滑りが住宅地を襲い、作業員1人が死亡、3人が負傷し、斜面がなお不安定かどうかを作業員らが確認する間、複数の家族が自宅からの避難を余儀なくされた。

ケチカンはクルーズ船の寄港地であり、急峻な地形に接して築かれた沿岸都市であるため、局地的な地滑りであっても重大な公共安全上の事態となる。記事では、より大きな地質学的原因について結論が出ていないが、被害と避難の実態はすでに明白だった。