出来事の日付:2024年10月7日
スペースXのファルコン9は、ケープカナベラル宇宙軍基地から欧州宇宙機関(ESA)の宇宙機ヘラを打ち上げ、連星小惑星系へ向かう惑星間軌道に投入した。打ち上げは米東部時間午前10時52分に行われ、ロケットの上段は2回の燃焼を経て、約76分後にヘラを放出した。
ESAのプロジェクトマネージャー、イアン・カルネリ氏は、宇宙機は管制担当者と通信しており、初期点検では想定どおりに作動していると述べた。チームは各システムを試験し、地球と月を撮影する予定だった。10月後半の軌道変更によって、2025年3月の火星フライバイに向けた準備を整え、2026年後半にディディモスとその衛星ディモルフォスへ到着する予定だった。
打ち上げは雨と厚い雲にもかかわらず実施された。予報では、気象条件が許容範囲となる確率はわずか15%とされていたが、午前中に天候が改善した。また、9月28日のクルー9飛行で、ペイロード放出後の軌道離脱燃焼中に異常が起きて以来、初のファルコン9ミッションとなった。米連邦航空局は、ヘラの打ち上げについて、上段が地球軌道外へ向かい、同様の軌道離脱燃焼を必要としないことから許可した。
スペースXは、第1段ブースターB1061を回収しなかった。ヘラの惑星間軌道には追加の性能が必要だったため、この段は23回目で最後となる飛行で使い切られた。過去のミッションには、クルー1、クルー2、国際宇宙ステーションへの貨物飛行、スターリンクの打ち上げ10回が含まれていた。
ヘラは、NASAが2022年に実施した二重小惑星軌道変更試験(DART)の現場を再訪する。DARTは意図的にディモルフォスへ衝突し、ディディモスを周回する軌道の周期を短縮させ、運動衝突によって小惑星の運動を変えられることを実証した。ヘラに搭載された12の観測機器は、ディモルフォスの形状と構造を含む衝突後の状況を測定する。これにより研究者は、実際の結果と衝突モデルを比較し、惑星防衛におけるこの技術の有用性をより適切に評価できる。
重量1,081キログラムの宇宙機には、6Uのキューブサット2機も搭載されている。ユベンタスはレーダーで小惑星内部を探査し、小さな岩石が緩く集積した天体かどうかを調べる。ミラニは表面物質と組成を調査する。小型宇宙機2機はいずれもディモルフォスへの着陸を試みる予定で、ユベンタスにはその弱い重力場を測定するための重力計が搭載されている。ヘラ自体も、最後にディディモスへ着陸する可能性がある。
ESAは、2019年後半に資金提供が承認されたこのミッションの費用を3億6,300万ユーロ、約4億100万ドルとした。打ち上げで完了したのは最初の段階にすぎない。DARTがディモルフォスをどのように変化させたのかを正確に説明するために必要な近接測定をヘラが提供できるようになるまでには、何年にもわたる巡航、航法、運用開始作業が残されていた。ミッションの科学者らは、この詳細な調査によって、衝突後にすでに測定された軌道変化を単に再確認するのではなく、競合する複数のモデルを検証できると見込んでいた。



