ニューヨークの米検察当局は事件発生日、インドの億万長者ゴータム・アダニ氏を起訴し、太陽光発電契約に関連する数十億ドル規模とされる贈賄・詐欺計画に加担したとして告発した。
証拠資料によると、アダニ氏ら被告8人は、20年間で約20億米ドルの利益を生み出すと見込まれ、インド最大の太陽光発電所プロジェクトの開発を支える契約を獲得するため、インド政府当局者に約2億6,500万米ドルの賄賂を支払うことで合意した。起訴状はさらに、被告らが貸し手や投資家に汚職を隠しながら、融資と債券を通じて30億米ドル超を調達したとしている。
この事件により、インドで最も著名な実業家の一人が、米国の大規模な汚職訴追の中心に立つことになった。アダニ・グループ会長のアダニ氏は、提供された報道の中で、世界で最も裕福な人物の一人であり、フォーブスによれば当時、世界22位の富豪と説明されていた。おいのサガル・アダニ氏も、アダニ・グリーン・エナジーの元最高経営責任者(CEO)ヴィニート・ジャイン氏とほか5人とともに、被告として名前が挙げられた。
検察当局によると、疑惑の計画では暗号的な表現と、企業・金融活動の複数の層が用いられていた。報道によると、共謀者の一部は内々にゴータム・アダニ氏を「Numero uno(ナンバーワン)」や「大物」と呼び、サガル・アダニ氏は携帯電話を使って賄賂の詳細を記録していたとされる。起訴を受けてゴータム・アダニ氏とサガル・アダニ氏には逮捕状も出され、検察側は国外の法執行機関に送付する予定だと述べた。
起訴内容はインド時間の木曜日早朝に発表されたが、その数時間前には、アダニ氏が期間20年のグリーンボンドの売却を通じて6億米ドルを調達したと報じられていた。このタイミングは事件を巡る衝撃を一層強めた。この事件は、ヒンデンブルグ・リサーチがアダニ・グループによる海外タックスヘイブンの不適切な利用を告発してから2年近く後に起きた。同社は当時の主張を否定したが、報告書を受け、アダニ・グループ株の時価総額は約1,500億米ドル消失した。
米国での事件は、アダニ氏本人以外にも広がっている。証拠資料によると、刑事事件の被告には、アジュール・パワー・グローバルおよびケベック州貯蓄投資公庫に関係するほかの幹部らも含まれていた。一部は海外腐敗行為防止法違反の共謀で告発され、アダニ氏、サガル・アダニ氏、ジャイン氏は証券詐欺、証券詐欺の共謀、通信詐欺の共謀の罪に問われた。アダニ氏らは、米証券取引委員会(SEC)が提起した民事訴訟でも被告として名前が挙げられた。
報道によると、被告は誰も拘束されておらず、ゴータム・アダニ氏はインドにいるとみられていた。また、アダニ・グループと在ワシントン・インド大使館は、コメント要請に直ちに応じなかったという。
法的な見出しを超えて、この起訴が重要なのは、空港、港湾、発電、送電、鉱業にまたがる事業権益を持つ企業帝国に関わるからだ。また、インドの政治経済とも交差している。野党関係者は以前から、ナレンドラ・モディ首相がアダニ氏とその企業をかばっていると非難してきたが、モディ氏はそうした主張を虚偽であり、中傷だとして退けている。
投資家と規制当局にとって、この事件は刑事上の疑惑だけでなく、規模の大きさを示す国内外の象徴となった複合企業体の資金調達、企業統治、市場での地位に及ぼす影響についても、注視される可能性が高い。ここで提供された証拠は有罪を立証するものではないが、米検察当局がこの件を世界的な影響を伴う重大な汚職・証券事件として扱っていることを示している。



