NeoTechNews編集部

発生日:2024年11月25日

オーストラリア政府は、誤情報・偽情報法案を上院で成立させる現実的な道筋がもはやないと認めて撤回した。同法案は、デジタル言論とプラットフォーム規制をめぐる同国の議論で大きな争点となっていた。

AP通信によると、ミシェル・ローランド通信相は、政府が法案を進めるのに必要な支持を集められなかったと述べた。APが引用した声明でローランド氏は、一般から寄せられた意見と上院議員との協議により、上院で法案を成立させる道筋がないことが明らかになったと述べた。この議席上の計算により、政府はオンライン上の誤情報への監督を強化する仕組みとして提示していた法案の断念を余儀なくされた。

撤回された法案は、デジタルプラットフォームの監督におけるオーストラリア通信メディア庁(ACMA)の役割を拡大するものだった。APによると、自主規制が不十分であると判明した場合、規制当局が法的強制力のある行動規範を承認したり、ソーシャルメディア企業向けの基準を定めたりすることを法案は可能にするはずだった。また、監視機関がプラットフォームを監視し、そのサービス上で拡散する誤情報と偽情報に関する記録を保存するよう求めることも可能になるはずだった。

これらの権限案は反対派の批判の中心となった。反対派は、同法によってプラットフォームが合法的な言論を過剰に削除する方向へ追いやられる恐れがあると主張した。APは野党報道官デービッド・コールマン氏の発言として、この措置は「オーストラリアにおける検閲法」に相当し、民主主義の原則への裏切りだと伝えた。同氏はさらに、多額の罰則を科される恐れがあるため、企業は規制上の処罰を受けるリスクを負うよりも、一般利用者のオンライン投稿を検閲するよう圧力を受けると主張した。

法案の頓挫は、国家が支援する言論統制への懸念を引き起こすことなく、説明責任を求める声を満たすコンテンツ統治規則を設計することの政治的な難しさを浮き彫りにしている。提供された資料で入手できる限られた証拠からでも、対立の構図は明白である。政府はこの提案を主要プラットフォームの自主規制の不備への対応と位置付けた一方、批判派は同じ執行手段を表現の自由に対する直接的な脅威とみなした。

法案撤回の決定によって、オンライン上の虚偽情報にどう対処すべきかをめぐるオーストラリアのより広範な議論が決着したわけではない。むしろ、大手デジタルプラットフォームが有害な誤情報を自ら取り締まると信頼できるのか、それともより強力な法定監督が必要なのかという根本的な政策上の問題は未解決のままとなる。今回の撤回によって明らかになったのは、少なくとも今回の試みでは、政府がより介入的なモデルへの十分な支持を構築できなかったということである。

テクノロジー政策の観察者にとって、この出来事は見慣れた教訓を示している。プラットフォームに説明責任を負わせることを目的とする規則は、規制当局に言論をめぐる判断への影響力を与えるものと受け止められると、たちまち政治的に脆弱になり得る。今回、懸念されたのはACMAの権限の範囲だけではなく、執行の可能性がソーシャルネットワーク全体のモデレーション行動に及ぼす実際の影響でもあった。

法案が棚上げされたことで、この特定の誤情報規制制度を創設しようとするオーストラリアの当面の取り組みは終了した。今後、同じ分野で法案を提案する場合には、検閲との批判により直接的に答え、より強力なデジタル監督が公の議論への不当な統制とは切り離せることを、懐疑的な上院議員らに納得させる必要があるだろう。