米下院は、米国、または国際刑事裁判所(ICC)に加盟していない同盟国の国民を訴追する取り組みに関与したICC職員に制裁を科す法案を可決した。法案は2025年1月9日、243対140、棄権1で可決され、共和党が支持する同法案には民主党議員45人も賛成した。

「不当な裁判所への対抗法」と名付けられたこの法案は、ICCがイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とヨアブ・ガラント前国防相に逮捕状を出したことを受けたものだ。同裁判所は2024年11月、ガザでの戦争中に戦争犯罪と人道に対する罪を犯した疑いで逮捕状を発付した。イスラエルは、ICCを設立した条約であるローマ規程の締約国ではない。

法案は、米国または非加盟の同盟国出身の保護対象者に対するICCの捜査、拘禁、逮捕、訴追に参加した、または実質的な支援を行った外国人について、査証を制限し、所有資産を凍結するよう義務付けるものだ。制裁対象者の近親者も査証制限を受ける。成立した場合、これらの規定は60日以内に発効することになっていた。

下院外交委員長のブライアン・マスト氏は、ICCが2023年10月7日のハマス主導の攻撃に対応する同盟国の指導者を不当に追及していると主張した。マイク・ジョンソン下院議長も、この法案を新議会の早期の優先課題とした。

ICCの予審裁判部は、ネタニヤフ氏とガラント氏が、戦闘手段としての飢餓、および殺人、迫害、その他の非人道的行為を含む人道に対する罪について責任を負っていると信じるに足る合理的な根拠があると述べた。ガザの民間人は食料、水、医薬品、燃料、電力を意図的に奪われたと主張した。逮捕状は有罪判決ではなく容疑を示すものであり、被告が不在のまま裁判を進めることはできない。

ICCは独自の警察組織を持たない。加盟する124カ国には通常、逮捕状を執行する義務があるが、その執行は各国当局に依存する。米国とイスラエルはICCの措置を拒絶した。バイデン政権も逮捕状が発付された際、これを非難した。

下院での可決だけでは、制裁は法律にならない。法案にはなお上院の承認が必要で、手続き規則上、審議を進めるには60票が必要となる可能性がある。上院共和党トップのジョン・スーン氏は本会議に上程する用意があると述べたが、支持派が十分な票を確保しているかは不明だった。両院が同一の法案を可決すれば、次期大統領のドナルド・トランプ氏のもとに送られると見込まれていた。

この議論では、米国が承認していない裁判所から米国の要員や同盟国を守ろうとする議会の取り組みと、パレスチナ領域で行われたとされる犯罪に対するICCの管轄権の主張という、競合する二つの原則が真っ向から衝突した。