発生日:2025年2月10日
フランスのエマニュエル・マクロン大統領はパリで、政治指導者やテクノロジー企業幹部に対し、計画されている1090億ユーロの民間人工知能投資により、フランスは世界のAI競争に復帰したと述べた。
マクロン氏は、2日間にわたるAIアクション・サミット初日の開幕時、グラン・パレでこのメッセージを発した。フランス24によると、投資は今後数年間に行われる見通しだ。この発表は、米国と中国による影響がますます強まる産業において、フランスと欧州を信頼できる競争相手として提示する、より広範な取り組みの一環だった。
フランス大統領は企業に欧州を選ぶよう促し、大量の電力を消費するコンピューティング基盤にとって、フランスのクリーンな電力供給が強みになると強調した。ドナルド・トランプ米大統領のエネルギー政策のスローガンと自身の方針を対比させ、マクロン氏は、フランスでは掘削を拡大せずに新施設を電力網へ接続できると主張した。
マクロン氏はインドのナレンドラ・モディ首相と共同で会合を主催した。約100カ国から国家元首、政府関係者、企業幹部、研究者が参加した。参加者には、就任後初の外遊中だったJ・D・バンス米副大統領や、中国の張国清副首相が含まれた。グーグル、マイクロソフト、OpenAIの幹部らも参加した。
投資と公益のためのAI
主催者は、「Current AI」と呼ばれる官民パートナーシップを立ち上げる計画を立てていた。AP通信によると、4億ドルで開始し、5年間で25億ドルを調達することを目指す。この構想は、公益に資することを目的とした研究に向け、信頼できるAI開発者がデータセット、ソフトウェア、その他のツールをオープンソースで利用できるようにするために設計された。
マクロン氏のチームは、計算能力の増強を通じて人間の能力を超えるシステムを構築する競争だけに焦点を当てるのではなく、がんや新型コロナ後遺症といった問題の解決に役立つ可能性があるデータやシステムへ、より多くの関心を向けたい考えだった。サミット特使のマーティン・ティスネ氏は、今がAIによる害を減らすと同時に、人々の生活を向上させる機会だと説明した。
フランス24によると、サミットでは医療、教育、環境、文化におけるAIの活用を検討する。Mozillaの公共政策担当幹部リンダ・グリフィン氏は、幅広い参加者が集まることを規範形成の機会と呼び、ユーラシア・グループのアナリスト、ニック・ライナーズ氏は、公益重視の開発が、少数の民間企業による支配に代わる選択肢を提供し得ると述べた。
この会合は、欧州の立場を強化することを目的とした投資発表の場にもなった。マクロン氏が示した1090億ユーロという数字は、約束された民間投資を表すものであり、すでに完了した公的支出でも、発生日の時点で支出済みと確認された資金でもない。
米中競争の中でのガバナンス
パリでの会合は、2023年に英国のブレッチリー・パーク、2024年に韓国で開かれた国際会議に続くものだった。最初の会議では、AIのリスクに対処するという法的拘束力のない約束に28カ国が合意した。2回目の会議では、研究と試験を行う公的なAI安全研究機関のネットワークを構築するとの誓約を取り付けた。
安全性は、汎用AIがもたらし得る極端なリスクについての専門家報告書を含め、パリ会合でも引き続き議題となった。主催者は議論を広げ、アクセス、経済的機会、公益も含めた。過去のサミットと同様、パリでの会合でも拘束力のある規制が作られるとは見込まれていなかった。
フランスの主催者は、倫理的、民主的かつ環境面で持続可能なAIを推進する政治宣言への支持を求めた。AP通信は、米国が署名するかどうかは不透明だと報じた。トランプ氏は前任者によるAI安全対策の大統領令を撤回し、規制上の障壁を減らして米国の主導的地位を維持することを目的とした政策を進めていた。
中国が主要な競争相手として台頭したことで、緊急性が増した。サミットは、DeepSeekの低コストなチャットボットがテクノロジー業界全体で注目を集め、高度なシステムとそのリスクをめぐる従来の議論に、効率性とアクセスの問題を並べて提起する中で開かれた。
マクロン氏は、この会合はAI開発を制御不能な競争にするのではなく、ルールを定めることを目的としていると述べた。フランスが競争に復帰したとの宣言には、AIを構築するために必要な資本と大量のエネルギーを消費する基盤を呼び込むこと、そしてAI技術をどのように統治し、利用すべきかを決める上で欧州の役割を拡大することという、二つの野心が込められていた。



