発生日:2025年4月29日。 アルジャジーラが引用した報道によると、ダマスカス近郊にある、住民の大半がドルーズ派の町ジャラマナで衝突が発生し、13人が死亡した。暴力には、地元のドルーズ派戦闘員と、近隣の主にスンニ派が暮らす地域から到着した襲撃者が関与した。シリア当局は、戦闘を止め住民を保護するため、治安部隊が現地に入ったと述べた。
騒乱は、預言者ムハンマドを侮辱する音声記録がソーシャルメディア上で拡散し、ドルーズ派指導者マルワン・キワンのものだとされたことを受けて起きた。キワンは録音したことを否定し、シリア人同士の対立をあおる試みだと述べた。ジャラマナのドルーズ派コミュニティーも声明で録音を非難し、分断を扇動するために捏造されたものだと述べた。
シリア内務省は、録音の出所を調査していると述べ、冷静な対応を呼びかけた。また、暴力に関与した者を追及し、責任を問うと約束した。同省は武装集団間で断続的な衝突があったと説明したが、全死傷者の詳しい内訳は公表しなかった。
内務省報道官のムスタファ・アルアブドは、死亡者には総合治安局の隊員2人が含まれていると述べた。英国を拠点とする監視団体「シリア人権監視団」は、ジャラマナのドルーズ派戦闘員6人と襲撃者3人が死亡したと報告した。CTVニュースは別途、監視団体と活動家団体の情報として、地元のドルーズ派武装勢力と親政府派戦闘員の衝突で少なくとも10人が死亡したと報じた。
いずれの報道も、この対立を宗派間のものと位置づけ、発生場所をシリアの首都近郊にあるドルーズ派の郊外地区としていた。
この出来事により、シリアの新当局下での少数派の安全を巡る懸念が強まった。12月に長年の支配者バッシャール・アル・アサドを排除した反体制派は国民の団結と包摂を呼びかけていたが、政府はその後も宗派間暴力の発生に直面していた。3月には、アラウィー派に属するアサド支持者が関与する衝突に続いて自警団による襲撃が起き、タルトゥース県とラタキア県で数百人が死亡した。
ジャラマナでの対立は、武力を行使する権限を巡る未解決の争いも浮き彫りにした。約14年に及ぶ内戦により、シリアは異なる勢力が支配する地域に分断された。ドルーズ派のコミュニティーは自らの地域を守るため地元の戦闘員を武装させた一方、ダマスカスの新指導部は武器を国家の管理下に置くよう求めた。ドルーズ派戦闘員は、当局が敵対勢力からの保護を保証していないとして、この要求に抵抗した。
したがって4月29日の戦闘では、直接的な引き金と、より根深い治安上の緊張が重なった。真偽が争われている録音が武装集団同士の対立を招き、国家による保護への信頼が乏しく、地元勢力が引き続き存在していることが、事態の激化をさらに危険なものにした。政府が約束した調査には、音声に関する責任の所在を特定することと、死者を出した襲撃を誰が実行したのかを突き止めることという、二つの課題がある。



