# フリードリヒ・メルツ氏、連邦議会の投票を制しドイツ首相に就任
フリードリヒ・メルツ氏は、ドイツ連邦議会で歴史的な否決に見舞われたものの、同日遅くに行われた2回目の投票で勝利し、ドイツ首相に就任した。この結果により、ベルリンで数時間にわたって続いた混乱に終止符が打たれ、発足するはずだった当日に新連立政権がはるかに深刻な危機に陥る事態は回避された。
保守派の指導者であるメルツ氏は当初、必要な絶対過半数に6票届かなかった。これは戦後ドイツ史上、前例のない第1回投票での失態となった。1949年の民主主義回復以降、首相候補が連邦議会の投票で否決されたことは一度もなかったためだ。この結果を受け、連立内部の忠誠心や、政府が効果的に統治するのに十分な結束力を備えているのかについて、直ちに疑問が浮上した。
最初の否決後、議会指導部は再投票の実施で合意した。メルツ氏はその後、過半数を9票上回る325票を獲得して勝利し、フランク=ヴァルター・シュタインマイヤー大統領の前で宣誓就任した。17人の閣僚からなる内閣は、正式な引き継ぎ後に発足する予定だった。
数字自体が状況を物語っていた。社会民主党と組むメルツ氏の連立政権は328議席を有し、計算上は余裕のある過半数を確保しているはずだった。しかし、定数630の議会で行われた秘密投票により、どこかに造反があることが明らかになった。連邦議会議長によると、第1回投票では議員9人が欠席し、3人が棄権、1票が無効だった。このためアナリストらは、造反が社会民主党から出たのか、メルツ氏自身が率いる保守陣営から出たのか、あるいは双方からだったのかを見極めようとした。
政治的余波は直ちに広がった。キリスト教民主同盟の当局者らは、欧州には強いドイツが必要であり、再投票まで何日も待つことはできないと主張した。議会会派代表のイェンス・シュパーン氏は、議員らの責任感に訴えた。社会民主党は連立合意を引き続き順守すると強調する一方、一部の観測筋は、閣僚ポストをめぐる不満が影響した可能性を指摘した。
極右政党「ドイツのための選択肢」はこのつまずきを利用し、結果によって連立政権の基盤の弱さが露呈したとして、再選挙を要求した。緑の党の政治家らも、メルツ氏に政治的には反対しているとしても、この混乱を性急に喜ぶべきではないと警告した。最初の否決は、新政権が安定性を示すはずだったまさにその瞬間に、まひ状態に陥ったとの印象を一時的に生み出した。
連立政権が結成された理由の一つは、数カ月にわたる政治的膠着状態から脱することだったため、この対比は重要だ。メルツ氏はわずか前日に連立文書に署名し、政権を成功させる歴史的責務について語っていた。ところが、初の議会での試練は、名目上の過半数があっても、ドイツを統治するには議席計算だけでなく規律も必要であることを改めて示すものとなった。
メルツ氏は今、信任を得て就任するが、同時に警告も突きつけられている。必要な票は得たものの、この日の出来事は、その過半数が造反と無縁ではないことを示した。ドイツの議会制度において、これはささいな技術的問題ではない。これこそが、メルツ首相時代における最初の政治的事実である。



