出来事の日付:2025-05-19
英国と欧州連合(EU)は、食品輸出、漁業権、若者の移動、安全保障協力に及ぶ広範な政治的関係の再構築で合意したが、実務上の変更の大半は即時に実現するものではなく、今後に委ねられている。キア・スターマー首相が、インドおよび米国との先の合意に続く「ハットトリック」と表現したこの合意は、関係の新たな章として示されたものの、文書では詳細の多くが今後の交渉に委ねられている。
この包括策の中心にあるのは、衛生植物検疫措置(SPS)協定の締結計画だ。これにより、食肉や乳製品から野菜、木材、羊毛、皮革に至る農産食品貿易に関するさまざまな獣医・衛生検査が撤廃されることになる。ガーディアン紙は、この変更によって、小規模なチーズやソーセージの生産者が、ブレグジット以降、多くの販売を採算割れにしてきた認証費用を負担せずにEU向け輸出を再開できるようになるはずだと報じた。これはアイリッシュ海をまたぐ貿易や、双方向の輸出業者にとっても重要だ。
漁業に関する部分は見出しから受ける印象ほど劇的ではないが、それでも重要だ。双方は、EUによる英国水域へのアクセスを維持しながら、既存の漁業取り決めを2038年までさらに12年間延長することで合意した。新たな食品協定により、英国水域で捕獲された魚は、獣医検査なしで加工してEU域内で販売できるようにもなる。同紙によると、これによってブレグジットが生んだ大きな費用を取り除ける可能性がある。取り決めが説明どおりに実施されれば、貝類の輸出業者にも恩恵が及ぶと見込まれている。
この包括策の政治的価値は、当面の商業的利益よりも大きい。共同声明はまた、英国およびEU諸国の若者が一定期間、旅行、就労、留学、ボランティア活動、またはオペアとしての活動を行えるようにする若者向け移動制度について、協議への道を開いた。名称は「若者体験」制度という穏やかな表現に改められるが、その狙いが、ブレグジット後に失われた国境を越える移動を限定的な形で復活させることにあるのは明らかだ。同じ協議により、英国の学生や研修生が「エラスムス・プラス」に参加する道が再び開かれる可能性もあるが、財政条件についてはなお合意が必要となる。
安全保障協力も主要な柱の一つだ。英国は、EUの新たな1500億ユーロ規模の再軍備融資制度「SAFE」の一部を利用できるようになり、双方はウクライナ、サイバー脅威、ハイブリッド攻撃、海底ケーブルの保護を巡る協力を深める計画だ。英国内務省による、DNA、指紋、車両登録、盗難品に関する欧州刑事警察機構(ユーロポール)のデータへのアクセスも復活する予定で、後に顔画像へ拡大される可能性もある。
この合意は、長年の緊張を経た実務的な関係再構築として売り込まれているが、ブレグジットを完全に覆すものではない。英国は引き続き関税同盟の外にあり、税関申告も存続し、医薬品、化学品、英国人旅行者による空港の電子ゲート利用について直ちに進展するわけではない。この合意が示しているのは、多くの詳細についてなお詰める必要があるとしても、政治的に可能な分野では双方が摩擦を減らす意思を持っているということだ。
その意味で、今回の発表は野心的であると同時に慎重でもある。ロンドンとブリュッセルが関係の一部を再構築する用意があることを示す一方、ブレグジットを巡る取り決めの多くが依然として維持されていることも浮き彫りにしている。



