ドナルド・トランプ氏は、自身の国内政策の目玉法案に署名し、成立させた。これにより、減税、国防費の増額、移民法執行のための新たな財源を組み合わせた政策パッケージが確定した。7月4日の祝賀行事を翌日に控え、ホワイトハウスで行われた署名は、下院が法案を218対214の僅差で可決した翌日のことだった。

式典は政策行事であると同時に政治集会として演出された。トランプ氏は独立記念日の祝賀ムードに包まれるなか、軍関係者とのピクニック、花火、B-2爆撃機、F-35、F-22を含む航空機の上空通過を伴って法案に署名した。その象徴性は意図的なものだった。ホワイトハウスは、この法案を大統領の政策課題を祝う凱旋のように見せるとともに、米国独立250周年をめぐる、より大規模な全国的祝賀の予告編にしようとした。

式典よりも法案の中身に目を向ければ、主要な政策上の争点がよりはっきり見える。法案は、成長を促進するとトランプ氏が主張する減税を延長する一方、国防と国境警備への支出も増やす。BBCの報道によると、チップ、残業代、一部の高齢者の社会保障給付に対する課税も廃止する。しかし、そうした恩恵には大きな代償が伴う。米議会予算局は、メディケイドの変更により、今後10年間で約1,200万人が保険を失う可能性があると推計しており、法案による食料支援の削減は何百万もの低所得世帯を圧迫しかねない。

この不均衡こそ、法案の可決がこれほど難しかった理由だ。下院少数党院内総務のハキーム・ジェフリーズ氏は採決を遅らせようと異例の長時間演説を行い、この法案は米国民の医療への攻撃だと批判した。下院では共和党議員のうち反対に回ったのは2人だけで、民主党議員212人全員とともに反対票を投じた。一方、上院では共和党議員3人が最後まで支持せず、J・D・バンス副大統領が賛否同数を破る決定票を投じる必要があった。最終結果は、一部議員が財政赤字や国の債務への影響を懸念していたにもかかわらず、トランプ氏が党にどれほど強い規律を及ぼせたかを示している。

この法案を支持する政治的根拠は、減税による成長が費用を上回るというホワイトハウスの主張にある。外部の分析者はより懐疑的だ。議会予算局は、減税によって初年度は財政黒字が生じる可能性があるものの、その後は赤字を急増させる恐れがあるとしている。タックス・ポリシー・センターは、恩恵の過半が年収21万7,000ドル超の世帯に流れると分析した。採決前の世論調査でも国民の支持が弱いことが示唆されており、ロイターがアイオワ州の集会で話を聞いたトランプ氏の支持者の一部には、法案についてあまり詳しく知らないとみられる人もいた。

トランプ氏にとって、この法案は国内政策上の最大の公約を一つにまとめたものであるため、象徴的な勝利だ。批判者にとっては、資源を富裕層へ再配分し、長期的な財政リスクを生むものだ。資料に含まれる証拠は、二つの見方が同時に真実であることを裏付けている。大統領は法案を成立させたが、その費用と影響について、決して納得しているとはいえない国民に説明する責任も背負った。

より長期的な問題は、この法案の恩恵と費用のどちらが、米国民の記憶に残る評価を決定するかだ。ホワイトハウスは、減税とより厳格な法執行政策が、予測される保険喪失と財政赤字への圧力を上回ると見込んでいる。批判者はその逆だと考えている。資料に含まれる証拠は、法案の政治的な命運が、署名式よりも、今後数カ月に各世帯が給与、保険適用、連邦予算にどのような変化を見るかに左右されることを示唆している。