イラクの治安当局者らによると、過激派組織「イスラム国」(IS)の構成員である疑いが持たれているフランス国民47人が、シリア北東部の拘束施設から引き渡され、イラクで訴追される。
AP通信は、この移送が記事掲載の約1カ月半前に行われていたものの、これまで公表されていなかったと報じた。公にコメントする権限がないため匿名を条件に取材に応じたイラクの治安当局者3人は、被拘束者らがテロ容疑で裁判にかけられると述べた。
男らは、米国の支援を受けるクルド人主導のシリア民主軍(SDF)が警備する、シリア北東部の拘束施設網に収容されていた。これらの施設には、ISの構成員として告発されたほかの数千人も収容されている。今回の移送は、ISの「カリフ制」崩壊後の拘束制度が今も機能しており、シリアから移管されるテロ事件の訴追先として、イラクが引き続き利用されていることを示している。
今回の引き渡しが注目されるのは、フランス国籍者が対象だからだけではなく、長年続き、政治的にも微妙な国境を越えた司法手続きに新たな一章が加わるためだ。フランスでは過去にも同様の移送が行われている。AP通信によると、2019年にはフランス人戦闘員とみられる13人が裁判のためシリアからイラクへ移送された。
イラク当局者らの説明は、拘束問題のより広範な規模も示している。当局者らによると、SDFからイラクへ引き渡された収容者は計3,192人に上り、そのうち724人が死刑、1,381人が終身刑を言い渡された。これらの数字は、今回のフランス人の事例が単発の取り決めではなく、はるかに大規模な移送の流れの一部であることを示している。
シリア北東部の拘束施設が今後どうなるかは、特に12月のバッシャール・アサド政権崩壊後も未解決のままだ。SDFとダマスカスの新当局が3月に結んだ合意では、収容キャンプと拘束施設の管理権はいずれダマスカス側へ移されることになっているが、履行は遅れている。
AP通信の報道は、この事件を、ISとの関係を疑われる数万人が今なお暮らすアルホルとアルロジの両キャンプの問題と併せて伝えている。その多くは戦闘員の妻や子どもたちだ。米軍は長年にわたり、各国に対し、これらの施設から自国民を送還するよう求めてきた。
フランスは、少なくとも一部について送還を始めている。同国は水曜日、シリア北東部のキャンプからフランス人女性3人と子ども10人を帰国させたと発表した。この動きは、当事者の区分に応じて、国籍をめぐる問題が異なる方法で処理されていることを示している。
イラクへ移送された被拘束者47人の次の段階は訴追だ。具体的な罪状や日程は報道で詳述されていないが、イラク当局者らは、男らが現在イラクの司法制度下に置かれ、同国でテロ事件の裁判に臨むことになると明言した。



