# マレーシア裁判所、2件の強制失踪は国家と警察に責任があると判断
マレーシアの高等裁判所は2025年11月5日、レイモンド・コー牧師と活動家アムリ・チェ・マットの強制失踪について政府と警察に責任があるとの判決を下し、捜査当局に事件の再捜査を命じるとともに、両家族に多額の損害賠償を認めた。この判決は、両事件におけるマレーシア当局による強制失踪を司法が初めて認定したものとして、画期的だと評されている。
AP通信の報道によると、コーは2017年2月、白昼に軍事作戦のような手口で覆面姿の男たちに連れ去られ、その様子は防犯カメラに記録されていた。現在も所在は分かっていない。アムリはその数カ月前の2016年11月、自宅を出た後に失踪した。両事件を巡っては、国家機関が関与したのではないかとの疑問が長年くすぶっていた。
裁判所は、コーの妻スザンナ・リューに3,000万リンギット超(約720万ドル)、アムリの妻ノルハヤティ・モハマド・アリフィンに300万リンギット(約71万7,000ドル)の賠償を認めた。また警察に捜査の再開を命じた。家族や人権団体は、何が起きたのかについてすべての疑問に答えられないとしても、再捜査は不可欠だと述べた。
この判決が重要なのは、国家人権委員会と政府の特別調査委員会が以前、警察の特別部門が失踪の背後にいたとの認定を示していたにもかかわらず、マレーシア当局が長年にわたり関与を否定してきたためだ。AP通信の報道によると、法務長官府は上訴すると述べており、法廷闘争はまだ終わっていない。
家族にとって、この判決は正しさが認められた一方、未解決の課題が残るものでもあった。リューは、歴史的で感情のこもった節目だと述べ、何年も信じてきたことが確認されたと語った。ノルハヤティは、夫が生きているのか亡くなっているのかを今も知りたいと述べた。両者の反応は、失踪事件では真相がすべて明らかにならないまま、部分的な責任追及だけが実現する場合があることを示している。
AP通信の報道は、事件を巡る、より広範な宗教的・政治的緊張にも触れている。キリスト教牧師のコーは、殺害予告を受けていたとされ、布教活動の疑いで捜査対象となっていた。イスラム教徒の活動家アムリは、シーア派の教えを広めた疑いで宗教当局の監視を受けていた。そのため、両失踪事件は、マレーシアにおける宗教、国家権力、市民的自由が交わる微妙な問題に触れるものだった。
判決の意義は、この2人だけにとどまらない。裁判所は今回、国家の関係者が関与し、捜査を継続しなければならないと判断した。家族、活動家、人権団体にとって、これは今後のマレーシアの失踪事件に影響を与え得る前例となる。ただし、上訴によって最終的な責任追及が遅れる可能性はある。
NeoTechNews編集部



