出来事の日付:2025年11月28日

NASAの探査車パーシビアランスが録音したデータには、研究者らが火星大気中で初めて検出された放電だと考える信号が含まれている。ミニ雷と表現されたこの短時間の現象は、ジェゼロ・クレーター付近で探査車のSuperCam(スーパーカム)装置が取得した音響データと電磁データに現れた。

フランス主導の研究チームは、火星の2年間、地球時間で1,374日間にわたり収集された28時間分のマイク録音を分析した。信号は通常、ダストデビルや砂嵐の前線に関連していた。こうした移動する柱状の渦や雲の中では粒子がこすれ合い、電荷が分離する可能性があり、小規模な放電が発生し得る条件が作り出される。

主任研究者で、フランスの天体物理学・惑星学研究所に所属するバティスト・シド氏は、この発見が火星の大気化学、気候、居住可能性についての理解に加え、将来のロボットおよび有人探査計画にも影響し得ると述べた。確認されれば、火星は、大気中に電気活動が存在することが知られている惑星として、地球、木星、土星と並ぶことになる。

この解釈は依然として暫定的だ。素粒子物理学者のダニエル・ミッチャード氏はNature誌で、データは塵によって生じる放電について説得力のある証拠を示していると記した一方、閃光は確認されていないと指摘した。この現象は視覚的にではなく音響的に記録されたため、火星の雷に分類すべきかどうかについては疑問が残る。この分野では過去にも競合する主張が出てきたため、さらなる論争が起こる可能性が高い。

研究者らは、今後の火星探査ミッションに、大気中の電気を測定するために特別に設計された装置と、それに伴う光を探せる、より高感度なカメラを搭載することを望んでいる。こうした観測によって、パチパチという音と電磁信号が同じ現象から生じているかどうかを検証し、さまざまな塵の条件下で放電がどの程度の頻度で発生するかを明らかにできる可能性がある。

パーシビアランスは2021年に着陸し、過去の生物に関連する証拠を求めて、4年間にわたりジェゼロ地域を探査してきた。現在の火星は寒冷で乾燥しているが、地質学的証拠は、数十億年前にはより厚い大気と液体の水が存在していたことを示している。ジェゼロは、古代の三角州の痕跡があることも選定理由の一つであり、かつて生命を支え得た環境を調べるうえで有望な場所となっている。

今回の電気現象に関する結果は、生物の証拠を示すものではない。その重要性は環境面にある。放電は大気中の化学物質を変化させ、塵と相互作用し、機器や将来の探査者に影響を及ぼす可能性がある。公表された報告は、電気現象と整合する信号の検出と、それを塵の多い気象に関連付ける科学的解釈を裏付けている。火星で目に見える稲妻が発生することを立証したものではない。確認には、この現象の電気的、音響的、光学的な各要素を同時に捉えるよう設計された観測が必要となる。それまでは、視覚的に確認された雷ではなく、塵に関連する放電という慎重な表現が妥当だ。