発生日:2025年12月14日。タイは、カンボジアから発射されたロケット弾によりシーサケート県で63歳の村民が死亡したと発表した。当局が、再燃した国境戦闘によって直接引き起こされたとするタイ国内初の民間人死亡例となった。タイ王国陸軍がドン・パチャパンと特定した男性は、学校や住宅地に近いカンタララック郡で破片を受けた。APの記者は約10分後に現場へ到着し、近くの住宅が燃えるなか、遺体が担架に載せられるのを目撃した。
戦闘の背景には、国境沿いの狭い土地や寺院遺跡をめぐる長年の領土紛争がある。今回の戦闘は、タイ兵2人が負傷した12月7日の小競り合いから始まり、両国は日曜日まで戦闘が続いたと述べた。APの集計によると、この1週間で双方合わせて20人を超える人々が死亡し、50万人以上が避難を余儀なくされた。
タイ当局者は、民間人を狙った意図的な攻撃だとして非難した。カンボジアは射程約30~40キロの車載式BM-21ロケットランチャーを配備しているが、そのロケット弾は精密に照準を定めることができない。タイによれば、カンボジアはほぼ毎日数千発を発射しているが、その多くは避難によりすでに無人となった地域に着弾している。バンコク側は空爆で応じており、双方とも偵察や爆弾投下にドローンを使用している。
新たな死者の発生は、この紛争がいかに急速に住宅や学校へ波及しているかを浮き彫りにした。カンタララック郡の別の村では、住民によると、前日にロケット弾で複数の住宅が損壊し、何人もの人が負傷した。目撃者は、ロケット弾が近くに着弾すると地面が揺れたと語った。タイ当局は、これまでにも紛争中の民間人死亡を報告していたが、それらの犠牲者には基礎疾患があり、戦闘中ではなく避難中に死亡したとしている。
国境紛争は今や、首脳級の外交とも絡み合っている。戦闘の第1段階を一時的に沈静化させた停戦は、マレーシアが仲介し、ドナルド・トランプ米大統領の圧力を受けて実現した。トランプ氏は後に、両国に停戦を再開するよう促したと述べた。タイのアヌティン・チャーンウィーラクーン首相は何らかの約束をしたことを否定し、カンボジアは依然として自衛のために戦っていると主張した。しかし国境地帯の村民にとって、砲弾やロケット弾が日常生活を変え続けるなか、政治的な駆け引きはほとんど慰めにならなかった。
シーサケートの現場は、住民が避難を試みた場所でさえ民間区域が攻撃にさらされ続けていることも示した。APの記事は、学校に隣接する地区、炎上する住宅、着弾後に避難所へ急ぐ村民の様子を伝えた。双方が相手側は軍事目標を攻撃していると主張し続ける一方、かつて家族が安全だと信じていた場所に被害が及ぶケースが増えているため、こうした詳細は重要である。砲撃の応酬が長引くほど、避難者にとって、どの道路、学校、寺院が今も避難場所として使えるのかを判断することが難しくなる。その不確実性は今や戦場の一部となっている。前線が移動してからかなりたった後でも、次の爆発が起きる可能性があるからだ。



