発生日:2026年2月23日。攻撃後にAP通信の取材に応じた生存者2人によると、南スーダン政府を支持しているとされる戦闘員らは、アイオド郡パンコル村で、食料支援を受ける人の登録を行っていると告知して民間人を自宅からおびき出し、伝統的建築物「ルアク」に集めた後に発砲した。生存者らによると、武装集団はピックアップトラックで到着し、拡声器を使って住民に外へ出るよう呼びかけ、数人の男性を縛った後、集まった人々に向けて発砲した。死者には女性や子どもも含まれていた。
死傷者数については見解が分かれている。生存者2人は22人が死亡し、ほかに数人が負傷したと述べた一方、政府任命の郡行政長官ジェームズ・チュオル・ジエクは、死亡したのは16人だと述べた。APは、いずれの人数も独自に確認できなかったとしている。ジエクは、主に女性や子どもからなる十数人以上が殺害されたことを認めたものの、被害者らが支援を約束されてだまされ、外へおびき出されたとの主張は否定した。この主張を反政府勢力のうそだと呼んだ。
ジエクは、殺害は国軍に完全には統合されていないものの、最近の軍事作戦で役割を果たしてきたシルク人の集団、アグウェレク民兵組織によるものだと非難した。戦闘員らは指揮官の知らないうちに夜間に兵舎を抜け出したと述べ、複数の将校が逮捕され、関与した大隊の戦闘員150人が武装解除されたと説明した。陸軍報道官のルル・ルアイ・コアン少将とは連絡が取れず、コメントを得られなかった。
攻撃が起きた郡は、長年にわたる紛争や洪水、食料不足ですでに弱体化していた。アイオドは南スーダン北部にある反政府勢力の拠点、ジョングレイ州に位置しており、支援団体は、反政府勢力が支配する地域での立ち入り制限が民間人への危険を悪化させていると警告している。APによると、アイオド郡では人口の半数以上が深刻な食料不安に直面しており、国連は、戦闘の再燃によって12月以降28万人が避難を余儀なくされたと推計している。この地域の住民は、停職処分を受けた副大統領で反政府勢力指導者のリエック・マシャールと結び付けられるヌエル人が圧倒的多数を占める。
この殺害事件は、より広範な政治・民族対立にも拍車をかけた。反政府勢力の当局者らは、ヌエル人地域における政府の作戦を繰り返しジェノサイドと表現しており、SPLM-IOの当局者リアス・タン・ムオチは、アグウェレクの司令官ジョンソン・オロニー中将による最近の発言は、ジェノサイドの意図を示す初期の兆候だったと述べた。オロニーは1月、ジョングレイ州での軍事作戦中に民間人を殺害するよう戦闘員に命じる姿を撮影され、その後謝罪した。しかしパンコルの住民にとって、差し迫った疑問はもっと単純だった。支援を隠れみのにして攻撃が行われた後で、支援の約束を再び信頼できることがあるのか、ということだ。
この出来事が明るみに出た経緯でさえ、遠隔地の紛争地帯における情報格差を浮き彫りにしている。APは、確認した画像はあまりに残酷で公開できなかったとし、人数について唯一確かなのは、十数人以上が死亡したことだと述べた。村の大部分では以前の戦闘ですでに住民がいなくなっていたが、今回の攻撃により、ジョングレイ州の飢餓と避難をめぐって長年警告が発せられてきた後でさえ、武装集団が支援への期待を悪用して民間人を呼び集めることが依然として可能なのではないかとの懸念も生じた。道路や電話、公式記録が限られる場所では、生存者が目撃したことと当局が証明できることの隔たりが、数日間、あるいはそれ以上にわたって大きいままとなる可能性がある。



