スペースワンのロケット「カイロス」は、日本の和歌山県にある同社のスペースポート紀伊から打ち上げられた後、3回目のミッションを完遂できなかった。東京に本社を置く同社は、ミッションを成功させることはできないと判断し、飛行を終了させたと発表した。
Space.comによると、ロケットは2026年3月5日午前11時10分(現地時間)に離昇した。飛行は約2分間続いた後、スペースワンが飛行中断措置を作動させた。同社は根本的な原因を直ちには明らかにせず、詳細については判明次第公表するとした。
このミッションには小型宇宙機5機が搭載されていた。打ち上げ約50分後、高度約500キロで放出される予定だったが、飛行終了に伴い、すべて失われた。この結果により、最初の2回の打ち上げも目標達成前に終了していたカイロスは、厳しい船出が続くことになった。
2024年3月に行われたカイロスの初打ち上げは、安全システムが速度と推力が想定水準を下回っていることを検知し、離昇からわずか数秒後に中断された。2024年12月の2回目の試みでは高度約100キロに達したものの、性能異常により、管制担当者が打ち上げ約3分後に飛行を停止させた。このミッションでも衛星5機が失われた。
カイロスは、小型衛星市場向けに造られた全長18メートルのロケットだ。3段の固体燃料ステージと液体推進剤を使う上段で構成される。スペースワンによると、最大150キログラムのペイロードを太陽同期軌道に投入することを目的とした機体だという。
2018年に設立されたスペースワンには、キヤノン電子、IHIエアロスペース、清水建設などの日本企業と、政府系の日本政策投資銀行が出資している。同社は高頻度の商業打ち上げサービスの確立を目指しており、2030年までに年間20回、2030年代には年間30回へ増やしたいとしている。
今回の結果を受け、同社は次の打ち上げを試みる前に大規模な調査を行う必要がある。また、新規の打ち上げ事業者が機体開発から信頼性の高い運用へと移行する際に直面する技術的リスクも浮き彫りになった。スペースワンの長期計画は、カイロスが3回にわたる飛行失敗から立ち直り、衛星を安定して軌道へ投入できることを実証できるかどうかにかかっている。



