# 石油市場への圧力深まるなか、IEAが過去最大の4億バレル放出を承認

国際エネルギー機関(IEA)は、加盟国の戦略備蓄から石油4億バレルを放出することで合意した。米国、イスラエル、イランが関与する戦争に伴う前例のない市場圧力への緊急の共同対応だと説明している。

今回の措置は、IEA史上最大の協調放出となる。ロシアによるウクライナへの全面侵攻後の2022年にIEA加盟国が放出した1億8200万バレルを上回り、中東各地のエネルギー施設、海運、精製能力への攻撃で、すでに動揺している市場を落ち着かせることを目的としている。

IEAのファティ・ビロル事務局長は、混乱の規模に見合う大規模な介入が必要だと述べた。中東の産油国は、安全な市場への輸送ルートと貯蔵能力が不足しているため減産を始めており、攻撃によってエネルギーインフラが損傷し、製油所の操業も中断されていると説明した。特にジェット燃料とディーゼル供給への影響を挙げた。

発表時、北海ブレント原油は再び1バレル100ドルを上回って取引され、直近では戦争前の水準から25%超急騰していた。情報資料によると、同指標は週初めに1バレル119ドルを付けた後、IEAの発表を受けて90ドル超まで値下がりした。資料で引用されたアナリストらは、この放出だけで追加の供給ショックへの懸念が解消される可能性は低いと述べた。

同機関の備蓄量は相当な規模に上る。加盟国は12億バレル超の緊急石油備蓄を保有し、これとは別に、政府の義務に基づき業界が保有する6億バレルの在庫がある。計画される放出量は、世界の生産量のおよそ4日分、湾岸地域を通過する原油量の約16日分に相当すると説明されている。

各国政府も個別に対応を始めている。ドイツとオーストリアは備蓄の一部を放出すると表明し、日本も一部備蓄の放出を開始すると述べた。英国は1350万バレル、韓国は2246万バレルを拠出すると表明した。ダグ・バーガム米内務長官は、価格への圧力を和らげる考えを歓迎した一方、世界がエネルギー不足に直面しているとは考えておらず、状況は一時的な輸送上の問題だと述べた。

今回の放出は、パリのIEA本部で開かれたG7エネルギー相会合に続くものだ。会合では、緊急備蓄を市場に供給することを含む、利用可能なあらゆる選択肢が協議された。アラブ石油禁輸後の1974年に設立されたIEAは、まさにこのような混乱に対応するため、長年にわたって制度設計されてきた。

現時点での問題は、石油が放出されるかどうかではなく、その放出ペースが世界のエネルギーの流れを襲う衝撃の規模を上回れるかどうかである。