発生日:2026-03-18

チャールズ・H・ベネット氏とジル・ブラッサール氏が、量子情報科学の基礎的研究により、2025年ACM A・M・チューリング賞の受賞者に選ばれた。計算機協会(ACM)は、BB84として知られる1984年の手法を含む両氏の量子暗号開発を、安全な通信とコンピューティングにおける大きな進歩として評価した。

数学者で暗号解読者のアラン・チューリングにちなんで名付けられ、しばしばコンピューター科学のノーベル賞に例えられる同賞の賞金は100万ドル。82歳のベネット氏はニューヨークにあるIBMのフェローで、70歳のブラッサール氏はモントリオール大学の教授だ。両氏の共同研究は、1979年にプエルトリコで開かれた会議で偶然出会ったことをきっかけに始まった。

報道によると、休憩中に泳いでいた際、ベネット氏がブラッサール氏に近づき、偽造できない紙幣を作ろうと提案した。この会話をきっかけに、量子物理学の法則を情報の保護にどう利用できるかを探る、数十年にわたる共同研究が始まった。最終的に両氏が開発した手法は、難解な数学的問題だけに依存するのではなく、量子状態に暗号鍵を符号化するものだった。

従来の暗号化は一般に、現在のコンピューターでは逆算が困難な計算に依存している。研究者らは、十分な能力を備えた量子コンピューターが、広く使われているそうしたシステムの一部を弱体化させると予想している。BB84は異なる手法を採用する。鍵を運ぶ量子状態を測定または複製しようとすると、その状態が変化する。このため通信する当事者は、鍵を信頼する前に、第三者がやり取りを傍受した兆候を検知できる。

この性質があるからといって、量子技術を用いるすべてのシステムが自動的に安全になるわけではなく、機器や実装上の実務的な課題がなくなるわけでもない。入手可能な報道は、基礎となるプロトコルとその重要性について説明したが、現在のすべてのデジタル通信が直ちに採用できるとは主張していない。ACMはむしろ、この研究を今後数十年にわたってデータ交換を保護するための道筋と位置付けた。

両氏の研究は、物理学とコンピューター科学が交わる領域に位置している。かつては主に光子や電子などの粒子を説明するものとして研究されていた量子の振る舞いを、情報の処理と保護に利用できる資源へと変えることに貢献した。この賞はまた、基礎理論の成立から、量子コンピューティングの発展に伴って重要性を増す可能性がある技術が評価されるまでに、長い時間がかかったことも映し出している。

ベネット氏とブラッサール氏を共同で顕彰することで、ACMは量子暗号の着想と、その安全原理を具体化した共同プロトコルの双方を評価した。BB84の意義は、信頼の基盤を変えたことにある。安全性が、従来型の数学的課題を解くのに十分な計算能力を敵対者が持たないことだけに依存するのではなく、傍受が物理的な攪乱を通じて自ら露見し得るようにした。したがって同賞は、研究者らがより高性能な量子コンピューターの実現に取り組むにつれて戦略的重要性が高まってきた、1984年の着想を評価したものだ。