歴史的な出来事の日付である2026年4月1日、NASAはアルテミスIIに4人の宇宙飛行士を乗せて月へ向け打ち上げ、1972年のアポロ17号以来初となる有人月飛行を開始した。スペース・ローンチ・システムは米東部夏時間午後6時35分、フロリダ州のケネディ宇宙センターから離昇し、予定される10日間のミッションの開始にあたり、オリオン宇宙船と乗員を地球周回軌道に投入した。
船長のリード・ワイズマン、パイロットのビクター・グローバー、ミッションスペシャリストのクリスティーナ・コックはNASAを代表する。カナダ宇宙庁の宇宙飛行士ジェレミー・ハンセンは、2人目のミッションスペシャリストを務める。ハンセンにとっては初の宇宙飛行であり、深宇宙へ向かう初のカナダ人となる予定だ。この飛行は、女性、黒人宇宙飛行士、米国人以外の人物が月へ向かった初の事例でもある。
アルテミスIIは着陸ミッションではなく、フライバイミッションだ。オリオンは月の裏側を回る自由帰還軌道をたどり、月の重力を利用して宇宙船を地球へ戻す。この軌道により、乗員は1970年にアポロ13号が樹立した距離記録を上回り、人類がこれまで到達した中で最も地球から遠い地点まで運ばれる見込みだ。
今回の打ち上げは、宇宙飛行士がSLSまたはオリオンに搭乗して飛行する初の機会となる。無人のアルテミスI試験飛行は2022年に月周回軌道へ到達した。離昇から約2分後、2基の固体ロケットブースターが分離し、コアステージの4基のRS-25エンジンが上昇を継続した。オリオンは打ち上げから約8分後に軌道へ到達した。その後ミッションは、地球周回軌道を離れて往路を開始するために必要な、重要な月遷移軌道投入燃焼を完了した。
乗員の作業は、低地球軌道の外側で有人宇宙船としてオリオンを試験することを中心としている。初期の作業には、生命維持装置などの基本システムの点検、運動、SLS上段をランデブー目標として使う手動飛行の実演が含まれた。宇宙飛行士らはまた、月の裏側でNASAのディープスペースネットワークを通じた通信が利用できなくなる期間に備え、月面の特徴を観測する準備を行った。
根拠資料は、コックが修理したトイレの故障や電子メールの問題など、軽微な不具合を報告している一方、最初の2日間のエンジン噴射は計画通り実施されたとしている。こうした不便は、飛行の月軌道を変えるものではなかった。
アルテミスIIは、より複雑なアルテミス計画のミッションに先立ち、SLSとオリオンが乗員を安全に深宇宙へ運べるかどうかを確認することを目的としている。今回の飛行では、誰も月周回軌道に入らず、月面にも着陸しない。中心となる試験は、地球からの出発、月の周回、安全な帰還という、有人飛行の全行程だ。各段階が、後続する有人飛行のための根拠を提供する。



