インド船籍のLPG運搬船ジャグ・ビクラムがホルムズ海峡を通過し、オマーン湾に入った。インド当局者と船舶追跡データは、これを米国とイランの一時停戦後、インド船として初の通過だとしている。
この船の動きは、一度の航海をはるかに超える重要性を持つ。ホルムズ海峡は世界で最も重要なエネルギー輸送の要衝の一つであり、戦闘後に生じた地域の緊張にさらされた貨物には、インド向けのものも含まれる。原油の大半、ガスの多く、LPGの大部分を輸入するインドにとって、この水路の混乱は短期間であっても、貨物輸送計画、保険、納入日程、供給の安定性に波及しかねない。
提供された報道によると、同タンカーは金曜夜から土曜朝にかけて狭い海峡を通過し、その後、海峡の東側にあるオマーン湾で位置が確認された。インド政府は、同船が安全に通過を完了したと発表した。報道はまた、ジャグ・ビクラムが約2万400トンのLPGを積載し、船員24人が乗船していたと伝えた。
同船はムンバイに拠点を置くグレート・イースタン・シッピング・カンパニーが所有し、載貨重量2万6000トン超の中型ガス運搬船とされる。このため相当な規模の商船ではあるが、世界のLPG船隊で最大級の船ではない。その安全な通過が重要なのは船の規模よりも、この海域をめぐる数週間の不安の後に発せられるシグナルにある。
報道によると、ジャグ・ビクラムは3月初旬以降にペルシャ湾を出た9隻目のインド船で、ほかのインド船は西アジア海域にとどまっている。記事が引用した政府データによると、ペルシャ湾にはインド船14隻、オマーン湾には6隻、アデン湾には3隻、紅海には3隻がいる。また、状況が再び悪化した場合に備え、当局が船舶と乗組員の緊急退避計画を策定しているとも記している。
こうした準備は、海運をめぐる状況がいかに急速に変化し得るかを浮き彫りにする。記事によると、石油・天然ガス省は、LPG船、LNG船、原油タンカーを含む17隻を退避対象候補として特定した。一方、肥料局は、インド船籍船1隻を含む16隻を退避対象として特定した。しかし全体としては、インドの港湾業務は通常通り続いており、混雑は報告されていない。
現時点でジャグ・ビクラムの安全な通過は、つい最近まで、はるかに脆弱に見えた航路で一部の船舶往来が再開していることを示す、限定的ながら意味のある兆候となっている。この航海でリスクがなくなるわけではないが、各国政府と企業が新たな停戦環境に適応する中、海運計画の担当者らが再びこの水路の利用を試みていることを示している。



