イラン・サッカー連盟は5月24日、同国のワールドカップのトレーニング拠点を米国からメキシコへ移すことをFIFAが承認したと発表した。中東での戦争に関連する安全上の懸念が、この変更の理由だという。
BBCスポーツの報道によると、連盟のメフディ・タジ会長は、イランは今後、メキシコ国境沿いのティフアナを拠点にすると述べた。ただし、報道時点では、この変更についてFIFAによる独立した確認はまだ得られていなかった。イランには当初、2026年大会のベースキャンプとしてアリゾナ州ツーソンが割り当てられていた。
この移転が重要なのは、イランのワールドカップ日程では、すでに米国の都市で試合が組まれているためだ。BBCによると、イランはロサンゼルスでニュージーランド、ベルギーと、シアトルでエジプトと対戦する予定だ。トレーニング拠点の変更によって試合日程が変わることはないが、主要な国際大会を控えた数カ月間の移動、安全対策、チーム運営に影響する可能性がある。
タジ会長は、連盟がイスタンブールでFIFAおよびワールドカップの関係者と会合を開き、テヘランではFIFAのマティアス・グラフストローム事務総長とのウェビナーにも参加したと述べた。すべてのチームのベースキャンプはFIFAの承認を得る必要があり、これらの協議後にイランの要請が受け入れられたという。
より広い背景には、戦争のため、イランが大会に参加する環境をめぐる不確実性がある。報道によると、イランはすでにトルコのトレーニングキャンプで準備を進めていたものの、紛争とそれに関連する安全上の懸念により、運営面に疑念が生じていた。アリゾナ州からティフアナへの変更により、チームは北米で開催される大会の圏内にとどまりながら、準備拠点を米国領外へ移すことになる。
報道では、記事の掲載時点までにFIFAが正式な公式声明を発表していたかどうかには触れていない。また、イランの実際のグループステージの日程に変更があるとも記していない。それでも、この承認は、地政学的緊張がスポーツの運営面にまで深く及び得ることを示す、ワールドカップの計画上では異例の調整となる。
この変更はまた、世界的なスポーツ大会の開催体制が、大会開始のはるか前から地政学と絡み合う可能性があることも映し出している。イランの事例が異例なのは、チームが米国で試合を行うと見込まれている一方で、報道によれば、その準備拠点が国境を越えたメキシコ側に置かれる可能性があるためだ。このような妥協策は、チームを試合日程に対応できる範囲内に置きつつ、差し迫った安全上の懸念を解決する助けになるかもしれない。
FIFAによる最終的な公式確認は重要となる。ベースキャンプは単なる象徴ではなく、トレーニングの日課、移動計画、選手とスタッフの日々の環境を左右するからだ。したがって、イランにとって、報じられた承認は単なる運営上の微調整以上の意味を持つ。戦争がすでに、世界最大級のスポーツイベントの運営の仕組みを形作り始めていることを示す初期の兆候である。



