事件発生日:2026年6月1日。 米サウスカロライナ州の陪審は、2023年に黒人の14歳、サイラス・カーマック=ベルトンさんを射殺した事件で、コンビニエンスストア店主のチケイ・リック・チョウ被告に殺人罪で無罪評決を言い渡した。チョウ被告はコロンビアにある自身の店から逃げた少年を追い、背後から撃ったが、息子が銃で脅されていると考えて発砲したのだと主張していた。

裁判では、追跡とチョウ被告が引き金を引いた瞬間を巡り、双方が大きく異なる解釈を示した。検察側は、当時61歳だった被告が、カーマック=ベルトンさんが水4本を盗んだと誤って考え、怒りに任せて行動したと主張した。また、チョウ被告は少年を130ヤード(約119メートル)以上追跡した末に殺害したと述べた。

州側は、カーマック=ベルトンさんが半自動式拳銃を所持していたことを認めたが、その武器は追跡中に地面へ落ちたと述べた。検察側は、少年がその銃で誰かを脅したことは一度もなかったと主張した。バイロン・E・ギプソン検事は陪審に対し、複数の証人が、少年の手には何も見えず、逃走中に銃器を誰かへ向ける姿も見なかったと証言したと述べた。ギプソン検事はこの事件を、正当化できない追跡の末に子どもが背後から撃たれたものと位置付けた。

弁護人のショーン・ケント氏は異なる説明を示した。少年がチョウ被告の息子アンディさんに銃を向けたため、被告は瞬時の決断を迫られたのだと述べた。アンディ・チョウさんは、カーマック=ベルトンさんが自分に武器を向けたと証言した。このため弁護側は陪審員に対し、発砲を万引きの疑いに対する反応ではなく、父親が自分の子どもを守ろうとした行為として判断するよう求めた。

陪審は無罪評決を下すに足る程度に弁護側の主張を認めた。評決が読み上げられた際、チョウ被告は身動きせず、その後、組んだ両手の上に頭を伏せた。カーマック=ベルトンさんの家族は傍聴席から叫び声を上げ、すすり泣いた。情報源となった記事は、相反する証言をどのように判断したのかを説明する陪審員のコメントを伝えていない。

カーマック=ベルトンさんの死は、地元人口の半数近くを占めるリッチランド郡のアフリカ系米国人コミュニティーに深い悲しみをもたらしていた。2023年の殺害後、住民はチョウ被告の店の外で抗議活動や追悼集会を行った。ある追悼式では、参列者が空の水のボトルを並べて少年のファーストネームをつづり、検察側が説明した誤った窃盗の疑いと追悼の意を結び付けた。

無罪評決は、州側が殺人罪での有罪判決を勝ち取れなかったという法的判断を示すものだったが、追跡や致命傷となった発砲など、裁判で争いのなかった事実を消し去るものではなかった。法廷での感情的な反応は、陪審の評決と、カーマック=ベルトンさんの死を巡って3年間にわたり行動してきた家族や地域社会との間に残る深い隔たりを映し出した。判決が読み上げられた際、その隔たりは法廷内で声となって響いた。