出来事の日付:2026年6月12日

Anthropicは、輸出管理と国家安全保障上の懸念に関連する米政府の指令を受け、人工知能モデル「Claude Fable 5」と「Mythos 5」へのアクセスを停止した。同社によると、この命令は外国籍の人々がFable 5を利用できないようにすることを求めており、遵守を図る間、全顧客に影響する、より広範な停止措置を取ることになった。

介入は、Fable 5が一般公開されてからわずか数日後に行われた。Anthropicは、このモデルを同社の一般向けリリースとして最も高性能だと宣伝する一方、サイバー攻撃に利用される可能性を抑えるための安全対策も強調していた。一般公開前には、少数の組織がシステムを試験し、潜在的な脆弱性を調査するためのアクセス権を与えられていた。

Anthropicの説明によると、米当局は具体的なセキュリティ上の欠陥を特定していなかった。同社は、当局がFable 5の制限を回避する手法を懸念していると理解していると述べた。Anthropicは実演を検証し、すでに知られていた少数の軽微な脆弱性が示されたと説明した。また、一般公開されている競合モデルも、そのような回避手法を使わずに同じ弱点を特定できると主張した。

この論争は、急速に向上するAIの能力と、サイバーセキュリティ業務に役立つ可能性のあるツールへのアクセスを管理する取り組みとの緊張関係を浮き彫りにしている。ロンドン大学クイーン・メアリー校の責任あるAI担当教授、ジーナ・ネフは、モデルを制限すれば安全性試験や国際協力も妨げられる可能性があると警告した。ネフは英国政府のAIセキュリティ研究所による試験を挙げ、その試験では同モデルが73%の確率で防御策やシステムの悪用に成功したとし、この性能をサイバー能力の重大な変化だと説明した。

6月上旬の協議を経てMythosへのアクセスを得ていた欧州連合(EU)は、Anthropicの発表を精査していると述べた。欧州委員会の報道官トーマス・レニエは、この出来事によって欧州の技術主権の必要性が一層裏付けられたと述べた。EUは最近、AIを含む重要技術について、米国やアジアの供給企業への依存を減らすための措置を発表していた。

この停止措置は、Anthropicとトランプ政権の間の別の対立と並行して進んだ。ドナルド・トランプ大統領は同社を公に批判しており、ピート・ヘグセス国防長官は同社をサプライチェーン上のリスクに指定した。この指定は、政府での利用にはサービスの安全性が不十分だとみなされることを示す。Anthropicはこの指定をめぐり国防総省を提訴した。その後、裁判官は訴訟の継続中は指令を執行できないとの判断を示し、政府機関と軍事請負業者は係争中もAnthropicのツールを使用できることになった。

報道時点で、商務省はBBCに回答を提供していなかった。したがって、Anthropicの決定により、モデルがいつまで利用不能となるのか、また対象を絞ったアクセス制限によって最終的に全社的な停止措置を置き換えられるのかは、未解決のまま残った。