# 出来事の日付:2026年7月1日 米国と欧州の外交官らは、ボスニア・ヘルツェゴビナの次期上級代表について合意できなかったが、差し迫った一つの変更については決着した。クリスティアン・シュミットは直ちに任期を終え、米国人の次席者ルイス・クリショックが暫定的に職務を引き継ぐ。

ガーディアンによると、サラエボでの会合は完全な妥協に至らず終了した。大西洋を挟んだ対立により、ボスニアで国際社会を代表する最高位のポストが影響力を試す場となっている。ただし、シュミットが直ちに退任し、選考手続きが続く間、次席者が2週間にわたり事務局を運営することで合意した。

この結果が重要なのは、上級代表が単なる象徴的な特使ではないためだ。この事務局は広範な権限を持つ。デイトン和平合意後、ボスニアの脆弱な戦後秩序を監督し、政治的統合の強化に向けて同国を導くために設けられた。誰がその職に就くかが変われば、国内政治、国際的な監督、西側諸国間の力関係に影響を及ぼし得る。

報道によると、和平履行評議会(PIC)は現在も、7月14日までに常任の後任を選ぼうとしている。また、次に誰を就任させるかをめぐり、ワシントンと欧州の複数の首都との間に深刻な亀裂があるとも伝えている。米国は76歳のイタリア人外交官アントニオ・ザナルディ・ランディを推す一方、欧州当局者はフランスの特使ルネ・トロカズや、妥協案としてデンマークの外交官ペーター・ソーレンセンを含む別の候補を支持しているとされる。

政治的背景も重要だ。ガーディアンによると、バルカン半島における米国の政策は、特に「南部連結線」として知られる10億ドル規模のガスパイプライン契約をめぐり、米国企業への直接的な利益還元をますます優先するようになっている。サラエボの欧州当局者は、この商業的な政策課題がボスニアのポストをめぐる争いを後押ししたとみている。

報道ではシュミットの退任は本人の意思に反するものとされ、引用されたある専門家は、米国側が事実上彼を追い出したと述べている。このような捉え方は、この問題が単なる通常の人事交代ではなく、誰がボスニアの将来の制度を形成する権限を持つかをめぐる、より広範な争いであることを示唆している。

ボスニアの現在の体制には今なお、約10万人が死亡した1992~95年の戦争の痕跡が残っている。この戦争は、戦闘を停止させた一方で民族間の分断も固定化した和平合意によって終結した。上級代表事務局は、その合意に基づく体制を運営し、より統一された国家を支援するために設けられたが、その任務はしばしば停滞してきた。

その意味で、今回の対立は一人の外交官だけをめぐるものではない。戦後状態にあり、同時に地政学的な争いの場でもある国で、外部勢力が今なお協調できるのかという問題なのだ。