出来事の日付:2026年7月6日

フィリピン史上初めて、現職の副大統領が上院の弾劾手続きの対象となった。上院議員らは、シャーウィン・ガチャリアン上院議長の指揮の下、パサイでサラ・ドゥテルテ氏の審理を開始した。

ドゥテルテ氏は初日に出席しないことを選んだ。代わりに同氏の弁護士らが出席した。公開声明で同氏は、告発を立証する責任は訴追側にあると主張した。また、弁護士による代理出席は審理を避けるものでも、秘密主義を示すものでもないと論じた。

下院の訴追担当者らは同氏について、政府の機密費を不適切に扱ったこと、説明されていない富を所有していること、暗殺を示唆する脅迫を行ったことを告発している。この脅迫はフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領、大統領夫人、元下院議長に向けられたとされ、ドゥテルテ氏が殺害された場合の報復として表現された。同氏は容疑を否定し、この事件を政治目的の嫌がらせだとしている。

訴追側を率いるジェルビル・ルイストロ氏は、証人の証言と証拠によって有罪評決が正当化され得ると述べた。弁護団を率いるシーラ・シソン氏は、下院側に有効な証拠があるのか疑問を呈し、憲法上の手続きが武器として利用されてはならないと警告した。AP通信が入手した日程案では、手続きは92日間に及ぶと想定されていた。

定数24の上院では、有罪とするために16票が必要となる。この基準は全上院議員の3分の2に当たる。有罪となれば副大統領職を罷免され、政府の公職に就くことを永久に禁じられる。また、マルコス氏の任期終了後に立候補すると表明している2028年大統領選への出馬も阻まれる。

上院の勢力は、マルコス氏と関係する政治家とドゥテルテ氏に近い政治家との間で微妙な均衡を保っている。2026年には4人が上院議長を務めており、わずかな支持関係の変化が交代を決定付けた。ドゥテルテ氏に近い複数の上院議員が抱える法的問題も、出席と投票をめぐる不確実性を高めている。

警備態勢は大規模だった。当局は治安維持部隊を含む6,000人超の警察官を周辺に配置した。ドゥテルテ氏に反対するデモ参加者およそ400人が外に集まる一方、同氏の支持者らは別の集会を開いた。

この対立は、選挙協力関係の崩壊に続いて起きた。マルコス氏とドゥテルテ氏は2022年、二つの有力な一族の組織を結集し、ともに出馬して当選した。ドゥテルテ氏の父であるロドリゴ・ドゥテルテ元大統領は現在、国際刑事裁判所の命令に基づく移送後、ハーグで拘束されている。娘のドゥテルテ氏は、マルコス氏がその移送を手助けしたと非難している。

1986年に民主政が復活して以降、これまでに上院の弾劾裁判にまで至った国家公職者は2人だけだった。2000年のジョセフ・エストラーダ大統領に対する手続きは、判決が出ないまま政変のなかで終結した。レナト・コロナ最高裁長官は2012年に有罪とされ、罷免された。

したがって、サラ・ドゥテルテ氏の裁判は、選挙上の影響だけでなく制度上の影響も伴う。証拠が示しているのは、深刻な告発と断固たる否定であり、有罪が確定したということではない。上院の任務は、激しい対立と世論の圧力が議場を取り巻くなか、この争われている記録を評価することである。