原子力協力に付された政治的条件

ドナルド・トランプ米大統領は、サウジアラビアとの民生用原子力協定案について、同国がアブラハム合意に加わってイスラエルを承認した場合に限り承認されると述べた。AFPが2026年7月22日に報じた。

トランプ氏は、前日に発表された協定の条件として、サウジアラビアの同合意への参加を挙げた。しかしサウジアラビアは、イスラエルの承認を取り付けようとするワシントンの働きかけに抵抗し、まずパレスチナ国家樹立への道筋が必要だと主張していた。このためAFPは、トランプ氏の条件によって原子力協力の取り決めが進むかどうかに不透明感が生じたと伝えた。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、サウジアラビアによる将来的な承認を地域和平に向けた「歴史的な飛躍」と呼んだ。英国王立防衛安全保障研究所の上級アソシエートフェロー、H・A・ヘリヤー氏はより懐疑的な見方を示し、リヤドに国交正常化を強制しようとしてもうまくいく可能性は低いとAFPに語った。同氏は、サウジアラビアがこれまで表明してきた立場から政策を転換するのか疑問を呈した。

協定文は直ちには公開されなかった。AFPによると、実施されれば米企業に数十億ドル規模の事業をもたらす一方、サウジアラビアには経済面と外交面の利益を与える可能性がある。この提案は審査のため議会に提出される予定だった。

主要な争点は、サウジアラビア国内でウラン濃縮を行えるかどうかだった。ウォール・ストリート・ジャーナルは、米企業が同国内に濃縮施設を建設できるようにする条項が盛り込まれる可能性があると報じた。米エネルギー省はそのような条項に言及せず、AFPから質問を受けてもコメントしなかった。トランプ氏は別途、物質の濃縮は行われないと記した。

米議会では両党の議員が、イスラエル当局者とともに、サウジアラビアの濃縮計画に以前から反対していた。その能力が最終的に核兵器開発へ転用される恐れがあるためだ。アトランティック・カウンシルのマシュー・クローニグ氏は正式発表に先立ち、サウジアラビアに濃縮能力を認めるのは誤りであり、米国の核不拡散基準を弱める可能性があると述べた。

マルコ・ルビオ国務長官は、米国の民生用原子力協定には、兵器計画への転用を防止するための保障措置が盛り込まれると述べた。クリス・ライト・エネルギー長官もこの取り決めを擁護し、米国の技術と専門知識を活用しながら、高度な原子力安全基準と核不拡散基準を満たすと述べた。同氏は、これはワシントンの戦略的、経済的利益に資するものだと位置付けた。

サウジアラビアは、民生用原子力エネルギーを追求する権利があるとの立場を維持している。AFPは、イランが核兵器を製造すれば湾岸地域で軍拡競争を引き起こしかねないとの広範な懸念を背景にこの論争を位置付け、リヤドが前年、核武装国パキスタンと相互防衛協定を締結していたことを指摘した。

したがって今回の発表には、サウジアラビアとイスラエルの国交正常化、米国とサウジアラビアの原子力協力における正確な技術的制限、議会の承認という3つの未解決問題が含まれていた。トランプ氏が示した条件は、民生用計画の進展を、パレスチナ国家樹立に向けた動きなしにはリヤドがこれまで拒んできた外交上の措置と直接結び付けるものだった。