チャドは、スーダン軍が両国の国境付近で空爆を実施し、12人が死亡、7人が負傷したと非難した。スーダン戦争をめぐる国境を越えた新たな緊張要因となっている。
出来事が起きた日に掲載されたアルジャジーラの報道によると、攻撃はスーダンとの国境に近いチャド国内の燃料市場を直撃した。チャドの治安関係者は、攻撃の標的は即応支援部隊(RSF)が給油する場所だったと述べ、当局者らは死者が出た責任はスーダン軍にあるとした。チャド軍は、攻撃がチャド東部エネディ地方の国境から100キロ以上内側で発生し、チャド軍に死傷者はいなかったと述べた。
この疑惑は、3年以上続き、数百万人が避難を余儀なくされているスーダン戦争を背景に浮上した。スーダン軍とRSFの紛争は、支援や領土侵犯、国境を越えた事件をめぐる非難を通じ、近隣諸国を繰り返し巻き込んできた。
スーダンは非難を否定した。同国外務省は、この事件について専門的かつ独立した調査が行われる前に主張が出されたことに驚いていると述べた。同省は、軍は近隣諸国の主権を尊重し、その領土を標的にすることなく、スーダンの主権と安全を守るという憲法上の義務を果たしていると述べた。
アルジャジーラによると、在ハルツーム米国大使館も、チャドに対する最近の攻撃を実行したのはスーダン軍だと非難した。これにより、直接の紛争当事者以外の複数の主体が見解を表明する事態となり、この一件は軍事面だけでなく外交面でも微妙な問題となっている。
チャドは以前にも、先週チャド領内の軍用車列を直撃した別の攻撃について、スーダンに責任があると述べていた。度重なる疑惑は、より広範な戦争で既に戦略的重要性を増している国境沿いで、緊張が激化するパターンを示唆している。
チャド当局は、ドローンなどの脅威に対応して警戒態勢も強化している。治安関係者はアルジャジーラに対し、同地域の警戒レベルが最高水準に引き上げられたと語った。またロイターの報道として、チャドが国境に近い東部ティネ周辺に装甲車約100台と電波妨害トラックを配備したと伝えられた。
地理的条件は重要だ。国境地帯は長く、警備が難しいうえ、軍事化が進んでいる。最も危険にさらされているのは、国境を通過したり、その近くで暮らしたりする地元住民、商人、避難民だ。100万人近くのスーダン避難民がチャドへ逃れており、そこでは既に水不足の危機に直面している。
このため、攻撃をめぐる新たな疑惑はいずれも、単なる軍事的対立にはとどまらない。既に多数の難民を受け入れている国にとって、人道上、政治上の問題でもある。チャド国内でのいかなる攻撃も、援助体制、国境管理、民間人の安全が既に圧迫されている地域の不安定化を深める恐れがある。
現時点で現地の事実関係について分かっているのは、対立する双方の主張に限られる。チャド当局者は、攻撃で12人が死亡し、7人が負傷したとしている。スーダンはチャド領を侵犯したことを否定している。米国大使館も独自の非難を加えた。依然として欠けているのは、何が起きたのか、誰が命じたのか、攻撃は意図的だったのか、誤って行われたのか、それとも全く別のものだったのかを明らかにできる独立調査だ。



