熱帯暴風雨ドリーは2026年8月27日、陸地から遠く離れた大西洋上で発生したが、進路次第ではカリブ海の一部に大雨をもたらす可能性があった。米国立ハリケーンセンターによると、同システムはリーワード諸島の東約1,555マイル(2,500キロ)に位置していた。最大持続風速は時速40マイル(64キロ)だった。
ドリーは西へ進んでおり、その後数日間は勢力にほとんど変化がないと予想された。この日の時点で、沿岸部に警戒情報や警報は出されていなかった。それでも予報担当者は、土曜と日曜にはリーワード諸島、続いて日曜と月曜にはバージン諸島、プエルトリコ、イスパニョーラ島に雨が達する可能性があると述べた。影響を受ける地域では鉄砲水が発生する恐れがあった。
この暴風雨は、2026年の大西洋ハリケーンシーズンで4番目に命名された気象システムとなった。それ以前の暴風雨には、6月に米国のメキシコ湾岸へ到達したアーサー、7月にルイジアナ州とテキサス州へ雨をもたらしたバーサ、8月に発生して消滅したクリストバルがあった。
ドリーという名称は、同名の人物をめぐる時事的な出来事ではなく、世界気象機関(WMO)が定めた命名手続きによって決まった。提供された報告は、この暴風雨とその名称は、歌手ドリー・パートンが2日前に死去したこととは無関係だと記していた。大西洋の暴風雨の名称はアルファベット順に並び、男性名と女性名が交互に用いられ、通常は6年周期で再使用される。
気象機関は、危険を明確に伝え、複数の気象システムが同時に活動している際の混乱を減らすため、短く認識しやすい暴風雨名を使用する。WMOはリストを定期的に見直し、特に破壊的だったり多数の死者を出したりした暴風雨の名称を引退させることがある。カリブ海地域に壊滅的な被害をもたらしたカテゴリー5のハリケーン、メリッサは、2025年シーズン後に名称が引退となった。
ドリーが発生した日には、太平洋でも熱帯暴風雨カリーナとローウェルが発生した。いずれの太平洋の暴風雨についても沿岸部に警戒情報や警報は出されていなかったが、予報担当者は、カリーナが引き起こすうねりにより、メキシコ南西部とバハ・カリフォルニア半島の一部沿岸で危険な高波や離岸流が発生する可能性があると述べた。
大西洋の今シーズンについて、米海洋大気局はエルニーニョに伴い、活動が平均を下回ると予測していた。その見通しでは、命名される暴風雨は8~14個で、うちハリケーンが3~6個、大型ハリケーンが1~3個とされた。
したがって、ドリーをめぐる差し迫った懸念は、急激な発達や陸地への直撃ではなく降雨だった。予報対象となったカリブ海地域の住民はなお、深刻化する鉄砲水のリスクに直面し、暴風雨が西進を続けるなか、今後の情報を待っていた。気象システムが島々に近づくにつれ、国立ハリケーンセンターの追加情報によって降雨の脅威がさらに詳しく示される見通しだった。



