HDFC銀行は、サシダール・ジャグディシャン氏が現任期の終了する10月26日以降の再任を求めないと取締役会に伝えたことを受け、新たな最高経営責任者(CEO)の選定を加速させた。同氏は同日の営業終了時まで、マネージングディレクター兼CEOを務める見通しだ。
同行は土曜日の取締役会後、この決定を公表した。規制当局への提出書類を引用した報道によると、取締役らはジャグディシャン氏に再考を促したが、同氏は次の任期を望まないとの意向を改めて示した。取締役会はその後、必要な日程内に移行を完了できるよう、後任者の選定と任命を迅速化することを決めた。発表では候補者の名前は明らかにされなかった。
今回の退任により、ジャグディシャン氏のHDFC銀行での長いキャリアが終わる。同行の公式経歴によると、同氏は1996年に財務部門のマネージャーとして入行し、1999年に財務事業責任者、2008年に最高財務責任者(CFO)に就任した。その後、幅広い本社機能を担当した後、2020年10月27日にマネージングディレクター兼CEOに就任した。
同行によると、ジャグディシャン氏は61歳で、33年の実務経験を持つ。公認会計士で、学部では物理学を学び、シェフィールド大学で貨幣・銀行・金融経済学の修士号を取得している。
同氏の在任中には、HDFC銀行と住宅ローン会社HDFC Ltdとの合併が行われた。これはインド最大級の企業統合の一つだった。取締役会は声明で、同行の成長と安定への貢献、およびこの取引の完了に寄与したことを同氏の功績として挙げた。この合併によって、後任者が引き継ぐ組織の規模は大幅に拡大した。
ガバナンス上の当面の課題は、突然の業務引き継ぎではなく後継者の選定だ。ジャグディシャン氏はあと2カ月近く職にとどまり、取締役会は期限内に任命手続きを完了するとしている。日程には、インドの大手銀行の経営トップに適用される社内および規制当局の承認手続きも織り込む必要がある。
この決定に関する報道は、投資家がHDFC銀行のガバナンスに注目する中で出たものだが、提出書類は、ジャグディシャン氏が再任を求めないと述べる以上に、その選択の理由を示していない。したがって、追加の証拠なしに同氏の退任を別の論争や市場の懸念と結び付けることは憶測となる。
次期CEOは、合併後の統合された金融機関について、大規模な個人・法人向け銀行業務を含む責任を負うことになる。取締役会がその人物を特定するまでは、重要な事実は限られている。すなわち、ジャグディシャン氏は次の任期を求めないことを選び、10月26日に退任する予定であり、HDFC銀行は後継者選定プロセスの迅速化に着手したということだ。



