# ネパールの校長、迅速な避難で校舎が洪水に流される前に生徒900人を救う

発生日:2026年8月31日

ネパールのヌワコット郡ビドゥールにあるトリブバン・トリシュリ中等学校で、ラジェンドラ・ダワディ校長は警告を真剣に受け止めた。同僚が、洪水がトリシュリ渓谷を勢いよく流れているとの知らせを持って駆け込み、別の教員も電話で警告を受けたためだ。ダワディ校長は学校のベルを鳴らし、生徒と職員に校舎から出るよう命じ、鉄砲水が校内に到達する前に高台へ向かわせた。この迅速な判断によって、後に学校そのものを消し去った災害から少なくとも900人の生徒が救われた。

一連の対応は、ほとんど即興だった。ある保護者が子ども1人を連れて帰るために到着した時には、ダワディ校長はすでに校内からの避難を始めていた。また、スクールバスの運転手らに来ないよう電話し、すでに生徒を乗せていた1台には引き返すよう伝えた。そのバスが新しく建設された橋を渡ると、その直後、隣にある古い橋が崩落した。ダワディ校長が生徒や職員とともに近くの丘へ到達した時には、背後で洪水の水位が上昇していた。

ダワディ校長によると、学校の生徒総数は1,643人で、その朝は少なくとも900人が校内におり、ほかにも登校途中の生徒がいた。職員2人は脱出できず、今も行方不明となっている。ダワディ校長は、自身がかつて学び、後に教えた学校が水や泥、巨岩、がれきの下に消えていくのを高台から見守った。損失の個人的な大きさも、彼の話がネパール全土でこれほど広く反響を呼んだ理由の一つだ。

災害全体の状況は悲惨だった。ヒマラヤ山脈の氷河崩壊後に発生したネパールの鉄砲水により、ネパールとチベットで950人以上が死亡し、4,400人以上が行方不明のままとなった。支援団体セーブ・ザ・チルドレンによると、ネパール北部では少なくとも69校が破壊され、約1万9,000人の生徒が授業を受ける時間を失う危険にさらされている。ダワディ校長は、生徒にはカウンセリングが必要であり、たとえ学校を一時的に移転させる必要があっても授業を再開すべきだと述べている。

ダワディ校長の安堵には悲しみも伴った。数日後に現場へ戻ると、保護者らは彼を抱きしめて泣き、ある生徒は命を救ってくれたことに感謝すると語った。ダワディ校長は、救助は英雄的行為ではなく責任を果たしたものだと述べ、次の段階は実務的なものだとしている。すなわち、生徒へのカウンセリング、仮設の学習場所、そして元の校舎をすぐに復旧できなくても授業を再開できるようにする再建だ。道路や橋、校舎が一度に流された地域では、こうした日々の復旧作業に重点を置くことは、避難そのものと同じくらい重要だ。