マルマラ海で起きた船舶衝突事故をめぐる捜査が本格化するなか、トルコ当局は乗組員6人を裁判所に送致した。一方、捜索隊は貨物船「トゥーベルク・イマモール」の沈没後、依然として行方不明になっているトルコ人乗組員10人の捜索を続けている。
事故は2026年9月2日、イスタンブール沖のシリヴリ付近で現地時間午前3時ごろ、2隻が衝突して発生した。そのうちの1隻であるばら積み貨物船「トゥーベルク・イマモール」は衝突後に沈没した。同船の乗組員は全員がトルコ国民で、提供された証拠によると、行方不明者の捜索はなお続いていた。
BBCトルコ語版の報道によると、もう一方の船「アルス」の乗組員9人が拘束され、そのうち6人が裁判所に送致された。報道によれば、専門家による予備的な調査結果で両船に過失に関連する複数の問題が確認されたが、最終的な司法判断が下されたとはされていない。
捜査は現在も進行中で、証拠からは、操船、船橋管理、航海手順に焦点を当てた事件であることがうかがえる。BBCの報道によると、専門家による予備評価では、衝突時、「アルス」の船橋では経験の浅い航海士が当直に就いていた。また、船長は船橋におらず、自室で眠っていたという。
「トゥーベルク・イマモール」側について、報道は同船のAIS(船舶自動識別装置)の電源が切られていたとしている。また、衝突前、同船は報道がいうところの「幽霊船」モードで航行していたと説明している。専門家らはさらに、衝突前に両船が無線で意思疎通を図っていたにもかかわらず、相手船まで約0.5海里の地点で同船が右舷側へ針路を変えたと述べた。
予備報告書はまた、「アルス」の当直航海士が船を停止させず、左舷側へ回避しようとしたことも、別の過失事項として挙げている。BBCの報道は、船主のタフシン・ドールヨルが、自社船の警報システムを通じて事故を知り、31分が失われたと述べたと伝えている。同氏はまた、海上では人命と財産を救う義務があり、他船に衝突して現場を離れることは容認できないとも述べた。
報道で引用された無線記録からは、「アルス」に左舷へ針路を変えるよう繰り返し警告していたことがうかがえる。記録では、ある声が「アルス、左舷へ回れ」と言い、別の側がより落ち着いた口調で「了解」と応じるのが聞こえる。報道は、引用された捜査資料以外の手段で、この記録が独立して真正性を確認されたかどうかについては明らかにしていない。
当局はまた、乾貨物船「トゥーベルク・イマモール」がシリヴリ付近で緊急信号を発したと述べた。この信号は、同船が沈没する際に自動送信された可能性がある。報道によると、同船は圧延鋼材4,199トンを積載してイスケンデルンを出港し、カラデニズ・エレーリへ向かっていた。同じ報道が引用したMarineTrafficのデータでは、同船は全長約90メートル、幅約13メートルだった。
タンカー「アルス」はコジャエリからアリアーへ向けて航行中で、積み荷はなかったと報じられた。MarineTrafficのデータでは、全長約91メートル、幅13メートルだった。報道によると、捜査当局は衝突がマルマラ海の分離通航帯で発生したと判断した。
衝突後、捜索救助活動が開始された。沿岸警備隊と沿岸安全局のチームが大規模な対応に着手し、午前4時10分には最初の救援が現場に到着した。「トゥーベルク・イマモール」所属の救命艇と自由降下式救命艇が海上で発見されたものの、中に乗組員はいなかった。
BBCの報道によると、作戦の第1段階には海上捜索救難用の船艇など14基とヘリコプター1機が投入された。国防省はその後、午前8時40分までに海軍部隊へ現場海域への進出を命じ、ドローンが現場に到着して活動を開始したと発表した。また、フリゲート艦、救難艇、揚陸艇、高速攻撃艇を含む複数の軍用艦艇が捜索海域へ派遣されているとした。
本件では救助活動と刑事捜査が現在も続いており、当局が行方不明の乗組員の所在確認を進める一方、裁判所は拘束された容疑者らについて審理している。



