地域議会を選ぶ初の投票
バンサモロ・ムスリム・ミンダナオ自治地域で9月14日、初の議会選挙が実施された。フィリピン南部にこの自治地域を生み出した政治的合意にとって、節目となる選挙だ。この選挙は、任命制の暫定行政機関を、地域初の公選の立法府に置き換えることを目的としている。
バンサモロは2018年に設立され、翌年、地域の暫定政府を担うバンサモロ暫定自治政府の構成員が任命された。今回の投票は、その移行期間を正式に終わらせ、地域の自治制度に基づく権限を持つ議会の構成を決めるものだ。
この選挙の背景には、フィリピン政府とモロ・イスラム解放戦線(MILF)の数十年にわたる紛争と交渉がある。1989年に設置された以前の自治地域は、政治・財政上の権限が限られ、民族自決を求める声に応えることができなかった。2012年のフィリピン政府とMILFの枠組み合意が新たな政治構造への道を開き、その後、2018年のバンサモロ基本法と、移行について定めた包括合意が続いた。
こうして生まれた制度により、バンサモロには、より大きな財政自治権、地域政府、議会、独自の司法制度が与えられた。そのため、この選挙は通常の政権交代以上の意味を持つ。和平プロセスを、元反政府勢力が主導する任命制の統治機関から、選挙による競争と代議制の統治へと移すものだからだ。
対立がプロセスを試す
選挙運動はMILF内部の分裂の中で展開された。一方の陣営は引き続きMILF議長のアルハジ・ムラド・エブラヒム氏を支持し、もう一方はアブドゥルラオフ・マカクア首相を支持した。マカクア氏は新設のバンサモロ連邦党に加わり、同党はMILFの政治部門である統一バンサモロ正義党と争った。選挙前には同氏の車列が襲撃されたが、同氏にけがはなかった。その後、同氏と司令官40人は命令不服従の疑いでMILFの軍事部門から解任された。
こうした緊張は、騒乱が起きる可能性に対する住民の懸念を強めた。地域の過去の選挙が票の買収、暴力、不正操作で損なわれてきたため、選挙の治安確保は、より広い歴史的な重みも帯びていた。フィリピン当局は投票前に主要地域へ軍を配備した。選挙プロセスを守る狙いだったが、衝突の可能性への不安を高めることにもなった。
この選挙の重要性は、最終的には投票と開票だけで決まるものではない。信頼できる結果を競合する政党が受け入れる必要があり、公選議会は、自治合意によって説明責任を果たす統治を実現できることを示さなければならない。フィリピン政府とバンサモロの政治組織は、ともに和平合意を順守する責任を引き続き負っている。
住民にとって、この投票は、和平合意によって設けられた立法府のあり方に直接関与する初めての機会となる。選挙の実施状況とその後の展開は、武装勢力間の対立が民主的な競争へと持続的に転換されたか、そして移行期間中に築かれた諸制度が、任命制の統治が終わった後も住民の信頼を維持できるかを測る初期の指標となる。



