国境を越える煙に地域で対応

マレーシアは、インドネシアが支援を受け入れたことを受け、ボルネオ島とスマトラ島で数週間続く森林火災へ消火航空機、ヘリコプター、要員を派遣する。アフマド・ザヒド・ハミディ副首相が9月19日、インドネシアのプラボウォ・スビアント大統領との協議後に発表した。

支援はボンバルディアCL-415MP消火機1機、ヘリコプター3機、52人で構成される。副首相によると、両政府は将来の火災や越境煙害により組織的に対応するための予防策も話し合った。プラボウォ氏は支援を歓迎し、火災自体はインドネシア国内でも、その影響は隣国へ広がると認めた。

煙はインドネシアの一部を覆い、マレーシアとシンガポールにも有害なもやをもたらしている。土地や森林の火災が、発火地点の国境に関係なく、地域の公衆衛生と環境問題へ広がる実態を示す。国際支援には、前の週にボルネオへ派遣された日本の隊員300人以上も含まれていたという。

気候条件で深刻化する火災期

インドネシアでは7~10月の乾季に森林火災が繰り返される。今年は強いエルニーニョが悪化の一因となった。専門家は気候変動、長期の森林劣化、焼き畑による開墾も、土地の火災への抵抗力を弱める要因に挙げる。

焼失面積の推計は情報源と手法で異なる。AFPの報道が引用した政府統計では1~7月に20万2千ヘクタール超だった。監視プロジェクトNusantara Atlasは同期間を約30万ヘクタール、8月を含めると約89万6千ヘクタールと見積もった。直接同じ数字として比較はできないが、いずれも乾季が終わる前から大規模な火災が起きたことを示す。

CL-415系は取水し、繰り返し空中から放水できる機体だ。ヘリコプターは地上から入りにくい場所へ人員を運ぶなどの支援を担う。配備だけで繰り返す火災の根本原因は解決しないが、燃焼と煙を減らすための当面の能力を増やせる。

両首脳の協議は、緊急装備だけでなく地域的な計画へも対応を広げる動きを示している。東南アジア全体の大気に影響するだけに、予防、早期発見、協調した活動が重要になる。今回の派遣は、インドネシアの火災を抑えることが両国と周辺地域の利益になるとの具体的な認識の表れだ。