日本のオオハシ・シンが2026年9月24日、東京で開催されたアジア大会の男子200メートル平泳ぎ決勝を2分04秒83で制し、世界新記録を樹立した。17歳のオオハシは、中国のチン・ハイヤンが2023年7月に樹立した2分05秒48を0.5秒以上縮めた。
オオハシは序盤から先行し、銀メダルを獲得したキルギスのデニス・ペトラショフに3秒84の差をつけてフィニッシュした。100メートル平泳ぎで中国のドン・ジーハオと同着優勝しており、今大会2個目の金メダルとなった。50メートルにも出場する予定で、3冠を狙う機会が残されていた。
世界記録が生まれたのは、オオハシが約39度の発熱を伴う新型コロナウイルス感染症にかかってから数日後だった。本人は、病気によって大会前に不安が生じた一方、休養を取らざるを得なくなったと話した。その回復期間が、世界記録を出せる状態で決勝に臨めた一因だったのかもしれないと振り返った。
今回の結果は、すでに急速な成長を遂げていたオオハシの飛躍をさらに加速させた。日本の輝かしい平泳ぎの伝統を担う選手として語られるようになったオオハシは、最もその実績に近づきたい選手として北島康介を挙げた。北島は2004年のアテネ五輪で100メートルと200メートルの平泳ぎ2冠を達成し、4年後の北京五輪でも同じ2種目を制した。オオハシは、次の大きな目標は翌年の世界選手権、そしてその先のロサンゼルス五輪で金メダルを獲得することだと語った。
コーチのオオタ・シンは、自己ベストは期待していたものの、世界記録をこれほど大きく上回るとは予想していなかったと述べた。会場がタイムに沸く中でも、その瞬間に自身が注目していたのは時計ではなくオオハシの泳ぎだったと話した。
日本勢は女子200メートル平泳ぎでもカトウ・コトミが地元で優勝した。ほかの種目では、バーレーンのミハイル・アルハンゲルスキーが男子50メートルバタフライを22秒91で制し、自身のアジア記録に並ぶとともに、同国初のアジア大会競泳金メダルを獲得した。中国のウー・チンフォンは女子50メートル自由形で23秒98の大会新記録を樹立した。ジャン・ジャンシュオも男子800メートル自由形で大会記録を更新し、その後、中国が優勝した4×100メートル自由形リレーにも出場した。
オオハシのタイムは、この競技セッションを象徴する記録となった。アジア大会での圧倒的な勝利を世界の新たな基準へと変え、ロサンゼルス五輪を2年後に控えて、日本の10代選手を男子平泳ぎの先頭に立たせた。大きな着差は、この決勝が記録樹立のレースであると同時に、大会での明確な実力差を示す勝利だったことも物語っている。



