米国は英国のフェアフォード空軍基地からB-1ランサー爆撃機を撤収させ、米国内の所属基地へ戻した。BBCが報じた米国防総省の確認による。グロスターシャーにある同飛行場付近で警備上の事案が起きた後の措置だが、米当局は撤収の理由を公には明らかにしていない。

約12機とみられる爆撃機は日曜日に基地を離れた。飛行追跡サービスでB-1の出発が記録され、国防総省の当局者も爆撃機を撤収させたことを確認した。BBCによると、判断は政治的なものではなく、軍の作戦運用レベルで行われ、英国側に伝えられた。英国防省はコメントしなかった。

撤収に先立つ9月27日、フェアフォード基地付近で不審とされた車両3台について警察に通報があった。ロンドン出身の英国人男性5人が爆発物関連の犯罪の疑いで逮捕され、その後、テロ行為を準備した疑いでも逮捕された。続いて、英国とイランの国籍を持つとされる6人目の男性がロンドンで逮捕された。6人全員が保釈され、捜査は続いている。釈放によって疑惑が解消されたわけではなく、起訴や責任の認定が行われたとの報道はない。

英国の当局者らはBBCに対し、当局はイランからの高まる脅威に対応しており、米軍の航空基地が標的となり得るのは理にかなった見方だと述べた。BBCが引用したニューヨーク・タイムズの報道によると、米軍司令官らは、イランが支援したとされる計画について、より具体的な情報を得ていた。イランは関与を否定している。これらの相反する説明はいずれも主張の段階にあり、そもそも背後に誰かがいたのか、いたとすれば誰だったのかについて、確定した経緯を示すものではない。

フェアフォード基地は数十年にわたり、米空軍の前方作戦拠点として使われてきた。ここ数カ月は、中東に関連する任務を支援するため、B-1とB-52が同基地から運用されていた。機体の移動によって、この英国の基地に直ちに展開できる米軍重爆撃機の数は減る。ただし国防総省は、米本土から任務に出発し、帰還させる能力を引き続き維持していると説明した。

B-1は数に限りのある戦略資産で、すでに生産されていない。元米国防当局者のエズラ・コーエン氏はBBCに、こうした機体を潜在的な脅威から守るのは賢明だと述べた。一方で、フェアフォードから撤収させれば、任務を米国または欧州の別の場所から開始する必要が生じるため、攻撃を行う費用は増えるとも語った。

住民にとって、今回の撤収は、普段以上に航空機の活動が目立つ時期の終わりでもあった。基地の近くに住む人々からは、航空機の騒音がなくなることへの安堵と、配備によって地域が以前より危険にさらされているように感じたとの懸念の両方が聞かれた。警備上の事案の捜査は続いている。現在得られている公式確認で明らかなのは爆撃機の移動であり、それを促した具体的な情報や作戦上の判断までは分かっていない。