世界の公式な時刻管理を担う関係者は10月15日、うるう秒を廃止し、協定世界時(UTC)と地球の自転とのずれをより大きく許容したうえで、はるかに大幅な補正を行う方針を採決で決めた。新方式では、最終的に1秒単位の調整が「うるう時間」に置き換わる。ただし専門家によると、最初の1時間の調整が必要になるのは数千年先になる可能性が高い。

69カ国の代表は、国際度量衡局がベルサイユで開催した会議でこの決定を下した。変更の目的は、毎分が正確に60秒であることを前提とするコンピューターシステムの運用リスクを減らすことにある。うるう秒を挿入すると1分が61秒になり、負のうるう秒を導入する場合は、これまで一度も使われたことのない59秒の1分が生じる。

現代の社会生活で使われる時刻は、原子時計を基盤としている。1967年以来、1秒はセシウム原子の9,192,631,770回の振動を使って定義されてきた。これにより、通信、衛星測位、金融取引、電力網が必要とする時刻の安定性が得られる。一方、地球の自転は地核、海洋、大気の動きに影響されるため、予測しにくい。時刻管理当局は原子時と天文時を近い状態に保つため、1972年以降、計27回のうるう秒を追加してきた。

実務上の問題は、ソフトウェアがこうした補正を必ずしも一貫した方法で処理しないことだ。2012年のうるう秒の後には、一部のサーバーが停止し、サービスが利用できなくなった。RedditやLinkedInも影響を受けたウェブサイトに含まれ、カンタス航空の便には遅延が生じた。システムごとに異なるタイミングで調整が行われると、相互接続されたネットワークの同期がずれることがある。世界中で連携するすべてのシステムを試験するにも、多大な費用がかかる。

最近、地球の自転が速まったことで、初めて負のうるう秒が必要になる可能性が生じ、懸念が強まった。英国国立物理学研究所のセトナム・シェマー博士は、1秒を削除する処理について、ソフトウェアが一度も試験されていない可能性があると述べた。今後10年以内にそうした調整が必要になる確率が30%と推定されたことも、国際的な採決を前倒しする一因となった。

承認された方式では、補正を検討するまでに、UTCと天文時との間に最大1時間のずれを認める。これにより時計と地球の自転とのつながりは維持されるが、判断は遠い将来に先送りされる。IERS地球姿勢センターのクリスチャン・ビズアール所長は採択を支持する一方で、最終的な選択を事実上、後世の人々に委ねるものだと指摘した。

今回の変更は、およそ30年にわたる議論に決着をつける。英国はかつてグリニッジ標準時との関係から懸念を示し、ロシアは自国の衛星測位システムGlonassへの影響の可能性を挙げていた。結論は、原子時と天文時とのずれがゆっくり広がることを受け入れつつ、現在の技術インフラの連続性を優先するものだ。このずれは、今後何世代にもわたって日常生活では気づかれない程度にとどまる。