エジプトのアブドルファタハ・シシ大統領は、サウジアラビアがエジプトの支援を要請した場合に防衛行動を取る権限を付与するため、議会に緊急会合の招集を求めた。軍事学校の卒業式でこの要請を表明し、サウジアラビアの安全保障はエジプトの国家安全保障と、より広いアラブ地域の安定に直結すると位置づけた。

シシ氏は、サウジアラビアのサルマン国王とムハンマド・ビン・サルマン皇太子の指示の下で要請があれば、エジプトは同国を保護または防衛するために必要な措置を取ると述べた。そうした行動には議会承認が必要だと指摘し、要請に先立って権限を与えるよう議員らに求めた。この発言は派兵を発表したものではなく、具体的な作戦を示したり、サウジアラビアがエジプトに正式な支援要請を行ったと述べたりしたものでもない。

大統領は、サウジアラビアへの攻撃はアラブ地域とエジプトの双方の安全保障に影響すると主張した。また、紅海と国際海運航路への脅威について警告し、今回提案した権限付与を、サウジアラビア自体の防衛だけでなく地域の通商の保護にも結びつけた。同時に、地域の緊張を緩和する必要性も強調した。

この声明は、エジプト政府と湾岸諸国政府の長年にわたる政治・財政面の関係を改めて示した。シシ氏は、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、クウェートによる、同氏が歴史的と表現したエジプトへの支援に謝意を示した。議会への要請は、今後想定されるエジプトの行動を国内の憲法上の手続きに位置づけるものだ。ただし、提供された報道では、緊急会合がいつ開かれるのか、議会が権限付与にどのような制限を付ける可能性があるのかは明らかにされていない。

同じ式典で、シシ氏はエジプト自身の政治的な後継問題にも言及した。現在の6年間の大統領任期は2030年に終了すると述べ、その時点で退任することは決まっていると説明した。また、在任期間を延長するための憲法改正は行わず、2030年までの期間を、次世代の政府幹部や国の指導者候補の育成に充てると述べた。

陸軍の元将軍であるシシ氏は、2014年に大統領に就任した。軍事学校の式典は、カイロの東にあるエジプトの新行政首都で開催された。この大規模開発は、同氏の政権と深く結びついている。シシ氏は、同校が、将来の閣僚や高官、大統領候補となる人材に対し、指導力と国家運営に関する訓練を行う役割を担うと述べた。

議会への権限付与要請は、直ちに軍事行動を行うとの発表には踏み込まずに、重要な同盟国を支援する用意を示した点で重要だ。具体的にどのような効果を持つかは、議会が会合を開くかどうか、承認文言の内容、そしてサウジアラビアがエジプトに行動を求めるかどうかに左右される。これらの段階が実現するまでは、シシ氏の発表は法的権限を求める提案にとどまり、エジプト軍の投入が確定したことを意味しない。