欧州連合(EU)は、欧州の小国アンドラおよびサンマリノとの経済・規制面の関係を深めることを目的とした連合協定に署名した。10月19日に署名された協定は、EU域内市場への参加に向けた道筋を定める一方、EUの機関や両国による追加の承認手続きは今後に残されている。

枠組みの中心となるのは、共通のルールの下でモノ、サービス、人、資本が移動する仕組みである域内市場への参加だ。欧州委員会は、市場アクセスには公正な競争を確保する条件が適用されると説明した。また、協定によって住民、企業、行政機関にとって法的環境の予見可能性が高まり、国境を越えた貿易、投資、経済活動が支えられるとしている。

対象は商取引にとどまらない。この枠組みは、研究・イノベーション、教育、社会政策、環境政策、消費者保護、文化、地域問題における協力と対話も定めている。アンドラとサンマリノはいずれも地理的にEU加盟国に囲まれているが、EUには加盟していない。両国にとって、この取り決めは、身近な経済環境の多くを形づくる政策との関係を、より体系的なものにする。

金融サービスに、直ちに無制限の市場アクセスが認められるわけではない。この分野の統合は段階的に進められる予定で、両国の規制・監督制度の堅牢性に関する評価など、特定の条件を満たす必要がある。この留保は重要だ。両国には金融産業があり、より広い市場への参加には、監督体制や共通基準の適用に対する信頼が欠かせないためだ。

EUはまた、アンドラおよびサンマリノとの通貨協定の改定にも署名した。改定は、新たな連合協定の枠組みとの重複を解消し、法的な明確さを高めることを狙う。アンドラとは2011年、サンマリノとは2012年に締結された既存の通貨協定が、EU非加盟国である両国のユーロ使用と、それに伴う義務をすでに規定している。

署名によって手続きが完了したり、すべての条項が全面的に適用されたりするわけではない。連合協定の正式な締結に先立ち、EU理事会は欧州議会の同意を求める見通しだ。アンドラとサンマリノでそれぞれの批准手続きが許す段階に達すれば、この枠組みを暫定適用できるようになる。したがって、両国の国内手続きが今後の日程を左右する重要な要素であり続ける。

今回の合意に至るまでには、長い交渉の経緯がある。EU理事会は2014年12月に交渉指針を採択し、欧州委員会は2015年、アンドラ、モナコ、サンマリノとの交渉開始の権限を与えられた。アンドラおよびサンマリノとの交渉は2023年12月に妥結した。モナコとの交渉は2023年9月に停止され、残る2つの小国が署名へと進むことになった。

このため、協定は即座に状況を一変させるものというより、一つの節目といえる。市場アクセスの拡大と幅広い政策協力の条件を定めるものだが、実際の効果は、議会の同意、各国の批准、そして特に金融分野における規制要件の段階的な適用にかかっている。