出来事の日付:2026年10月24日
Nielsen Norman GroupがUX(ユーザー体験)の実務者521人を対象に実施した調査によると、生成AIは多くのUX業務を速めているものの、利用者の間では仕事上の価値に対する評価が分かれている。ほぼ全員がAIツールにアクセスできる一方で、出力の品質、データの取り扱い、経営陣からの圧力に対する強い懸念も明らかになった。
回答者の99%超が、職場で生成AIを利用できると答えた。ただし、利用できることが必ずしも自由な選択を意味するわけではない。59%は雇用主が承認したツールしか使えないとし、どのツールでも自由に選べるとの回答は12%だった。3分の2は少なくとも1つのエージェント型製品を利用していると報告した。この区分には、汎用エージェントのほか、コーディングエージェントやアプリ構築ツールも含まれていた。
導入状況は職場によって大きく異なった。エージェント型ツールを使っていると答えた割合は、スタートアップでは85%、中小企業では75%だったのに対し、政府機関では42%、非営利組織では36%だった。研究者らは、承認手続き、セキュリティ要件、費用、技術面の対応能力がこうした差を説明する要因になり得ると指摘したが、この調査で単一の原因が確定したわけではない。
回答者は概して、AIが時間の節約になると評価した。3を「変化なし」、5を「作業時間が大幅に短縮」とする5段階評価で、平均は4.2だった。利用が特に多かったのは、コードの作成・編集、既存資料の調査、実務者自身が集めた調査データの分析だった。これらの作業でAIを使う人の約9割が、必要な時間が減ったと答えた。
ユーザーと直接接する業務では、導入がはるかに少なかった。回答者の大半はユーザーへのインタビューにAIを一度も使っていないとし、半数をやや上回る人が、ユーザーを対象とするデザインのテストにも使っていないと答えた。AIインタビュアーの利用を報告した割合は11%にとどまり、合成ユーザーの利用も同じ割合だった。報告書によると、AIはセッションに関連する準備を速められるが、対話そのものに必要な時間がなくなるわけではない。
効率の向上は、幅広い熱意にはつながっていなかった。54%の回答者が出力品質を導入の障壁に挙げ、50%がプライバシーやデータセキュリティへの懸念を挙げた。倫理や持続可能性への懸念を選んだ人は34%だった。大きな障壁はないと答えた人は9%にすぎず、大半は複数の障壁を選択した。
この結果は自己申告による調査を示すものであり、条件を統制した生産性の測定ではない。それでも、職場でのAI導入をアクセスの有無や速さだけで捉えられない理由を示している。UX専門家は、特にコードやデータを扱う仕事でツールの実用的な使い道を見いだしつつ、結果の確認や、組織内のルール、リスク、期待を巡る調整にも時間を費やしている。



