ウェブ上で使えるパスポート写真編集ツールが、元の画像を遠隔の編集サービスに送信せず、ブラウザー内で証明写真の切り抜きや形式の調整を行う方法を利用者に提供している。AI Passport Photoは、パスポートやビザの申請用テンプレートに加え、個別のデジタルファイルや印刷用シートを作成する機能を備えている。

このサービスでは、編集画面を開く前に国と書類の種類を選ぶ。テンプレートには、必要な画像サイズ、解像度、背景色、頭部の高さの許容範囲が定められている。これらの設定を基に、構図を合わせるためのガイドが表示され、ダウンロードする画像のピクセル数が決まる。

画像処理は利用者の端末内で行う設計となっている。サービスの説明によると、切り抜き、背景色の置き換え、書き出しはブラウザー内でローカルに実行される。編集ツールは最初に背景除去モデルをダウンロードするが、処理のために写真そのものをアップロードすることはない。この違いは、顔写真を遠隔の写真サービスに保存されたくない人にとって魅力となり得る。ただし、端末やブラウザーが自分の求めるプライバシーの条件を満たすかどうかは、利用者自身で判断する必要がある。

対応するバージョンのChromeとEdgeでは、顔検出によって、頭部の大きさが指定範囲に収まるよう被写体の位置を調整できる。利用者は画像をドラッグしたり拡大率を変えたりして、手動で調整することも可能だ。セグメンテーションモデルが元の場面から人物を分離し、切り抜いた人物を、選択したテンプレートで指定された色の背景に配置する。

完成した画像は、300 DPIの単一ファイルとして書き出せる。このツールは、4×6インチおよび5×7インチの写真用紙や、A4用紙向けのレイアウトも作成する。実際の寸法を正しく保つには、これらのシートを原寸で印刷しなければならない。サイトによると、ダウンロードする画像に透かしは入らず、アカウントやサブスクリプションも不要だという。

この編集ツールが扱うのは画像の寸法や配置であり、申請手続き全体ではない。パスポート発給当局は、表情、照明、影、眼鏡、服装、頭を覆うもの、撮影時期、デジタル加工の可否などについて規則を設けることがある。要件は国や書類の種類によっても異なる。このため、幅、高さ、背景の仕様が所定の数値や条件に合っていても、元の写真が別の規則に違反していれば、受理されない可能性がある。

利用者は印刷や提出の前に、生成された画像を、申請を受け付ける当局の案内と照らし合わせる必要がある。また、自動で中央に配置されたからといって、受理が保証されるとは考えるべきではない。このツールの実用的な価値は、より限定的なものだ。編集時に元の写真を端末内に保持しながら、一般的な切り抜き、背景処理、シートへの配置をブラウザー上の一連の操作にまとめている。