イベント日:2026年8月12日
Zed Industriesは、エージェントと共同でコーディングし、その作業をレビューするための共同作業環境「Delta」を発表し、プライベートベータへのユーザー招待を開始した。このアプリケーションは会話を中心に据えつつ、関連するソースツリーを参加者間で同期された状態に保つ。
Deltaは、ディスカッションとそのワークツリーをリアルタイムで一体的に複製するシステム、DeltaDBを基盤としている。既存のGitリポジトリと併用でき、コミットとコミットの間に行われた編集や会話が記録される一方、Deltaを使わないチームメートには従来型のリポジトリとして表示され続ける。通常のコミットとプッシュのワークフローも引き続き利用できる。
この設計は、スナップショット方式のレビューが抱える制約に対処する。Deltaでは、コメントをコードの1行またはエージェントとの会話の任意の部分に結び付け、作業内容が変化してもその関連性を維持できる。レビュアーは、元の依頼や判断が含まれる同じスレッド内で、疑問のある部分についてエージェントに説明や修正を求められるため、単独の差分から意図を再構成する必要が減る。
スレッドは、招待された参加者と共有するまで非公開となる。各共同作業者はコードのローカルコピーを受け取り、変更がコミットされる前であっても、作業の進行に合わせて同期された状態が維持される。チームメートはスレッドを確認し、リアルタイムでコメントしたり、後から会話と現在のワークツリーが残った状態でタスクを再開したりできる。
Deltaはクラウドランナーにも対応し、作業を開始したノートパソコンを閉じた後もエージェントが処理を継続できる。共有されたブラウザーリンクでは、別個にJavaScriptで再実装したものではなく、WebAssemblyにコンパイルされWebGLで描画される同じRustアプリケーションが開く。サードパーティー製エージェントとの統合はClaude Codeから始まり、そのターミナルセッションをDeltaのスレッドに同期できる。
インターフェースは会話を編集可能な文書として扱う。ユーザーはコードエディターのキーボード操作で会話内を移動し、計画、トランスクリプト、推論ブロック、差分の特定の行の横に回答を配置できる。Zedによると、完全なトランスクリプトと差分は、自動的に要約へ縮約されることなく表示され続ける。
Zedは最終的にDeltaDBを既存のエディターへ導入する計画だが、既存のZedユーザーを混乱させずに、複製型データベースと会話中心のインターフェースを一体的に発展させられるよう、最初のクライアントとしてDeltaを別個に開発した。Zed自体の開発も継続される。
今回のベータ開始は限定的なものであり、一般公開ではない。最初の招待はイベント当日に送付され、その後数週間にわたり追加の招待が予定されている。Deltaが掲げるのは、コード、レビュー、エージェントとの議論をまたいで共有コンテキストを永続的に維持することだが、その性能や本番環境のチームへの適合性は、早期アクセスグループ外での利用経験によって決まる。
この分離により、Zedは既存エディターの基盤を作り直すことなく、会話を第一に据えた製品を試験することもできる。チームがスレッドを作業の主要単位として好むかどうかは、このベータにおける中心的な製品上の問いの一つである。



