部品予算の急激な変化

Tom’s Hardwareの分析によると、消費者向けメモリーの価格は2026年8月17日までに異例の水準に達し、一部の大容量DDR5キットは12カ月間で500%近い値上がりとなった。数値は、PCPartPickerを通じて収集された過去の追跡データと現在の平均価格に基づくもので、同誌は概算ではあるものの、全体の傾向をおおむね反映していると説明した。

32GBのDDR5-5600モジュール2枚で構成される標準的な64GBキットは、前年夏には200ドル未満だったが、最新の比較では1,100ドルを超えていた。別のキットは1年間で72ドルから392ドルに上昇した。価格追跡データの最も極端な例では、128GBのDDR5キットが3,399ドルに達し、それまでに記録された最安値の10倍となった。

容量と速度が低い製品帯は比較的安価だったが、値上がりを免れなかった。旧世代のAMD AM4またはIntel LGA1700プラットフォームを使い続ける購入者も、コスト上昇に直面した。需要がDDR4に移ったことで、こうしたキットの価格は約120%から180%近く上昇し、ある製品は105ドルから281ドルになった。

この傾向は米国外にも広がった。ドイツのメディアComputerBaseのデータによると、欧州のRAM平均価格は2025年9月の水準を345%上回った。この追跡データでは、同じ期間にハードディスクドライブとソリッドステートドライブの価格も125%超上昇していた。

AI需要が供給を再編

Tom’s Hardwareは、品不足の主因を、AIデータセンター向けに大量購入する企業にあるとした。報告によると、ハイパースケール事業者は、供給を確保するための前払い分も含め、2027年の世界のDRAM生産能力をほぼすべて既に予約している。PCメーカーとスマートフォンメーカーは、残りの供給を争う優先度の低い顧客として説明された。

証拠には、その根拠となる生産能力契約が示されていないため、この点は独自に検証された総量ではなく、業界で報告されている主張にとどまる。ただし、SK hynix、サムスン、Micron、中国のCXMT各社の売上高が1年間で2倍、3倍、あるいはそれ以上に増加したとする同誌の説明とは一致する。

メモリー業界の幹部は、早期に状況が緩和するとの見通しをほとんど示さなかった。SK hynixのクァク・ノジョン最高経営責任者は、2027年が業界史上最悪の供給年になると予測し、需要が2030年まで生産量を上回る可能性があると述べた。ADATAのサイモン・チェン会長は、不足が10年間続く可能性があると示唆し、AI市場の低迷によって間もなく終わるとの見方を否定した。

これらの予測は判断であって、確約ではない。新たな生産能力、需要の減退、AI投資の変化によって推移が変わる可能性がある。また、価格比較は、すべての製品や小売業者を対象としたものではなく、特定時点の数値と平均値を示している。

PCを組み立てる人にとって、当面の影響は長期見通しより明確だ。メモリーは、予測可能な予算項目から、アップグレード費用の大半を占めかねない項目へと変わった。DDR4に移行しても圧迫を回避できなくなっており、ストレージ価格の動向は、部品と製造投資を巡る競争が単一世代のRAMにとどまらず影響していることを示している。