出来事の日付:2026年11月3日。
Nvidiaは、AIエージェントがクエリや回答を生成する前に、企業データを構造的に理解できるようにするオープンソースのPythonフレームワーク、Auto Ontologyを公開した。このプロジェクトは既存のメタデータの上に意味情報を表すグラフ型の層を構築し、データの取得、クエリの生成、エージェントの出力に至る推論を確認しやすくすることを目指している。
プロジェクトが中心的な課題として挙げているのは信頼性だ。エージェントが文書を見つけたりデータベースに接続したりできても、どのテーブルがある業務指標を定義しているのか、2つのシステムが同じ定義を使っているのか、数値がどこから来たのかまでは分からない。Auto Ontologyは、組織がすでに使っているセマンティックモデルを置き換えるのではなく、そうした定義と関係を整合させるためのものだ。
Nvidiaによると、構築したコンテキストはModel Context Protocol、コマンドラインインターフェース、APIを通じて、さまざまなエージェント環境に提供できる。そのため、このフレームワークは単一のチャット画面以外でも役立つ可能性がある。コーディングエージェントやほかのMCP対応ソフトウェアは、同じ対応付け済みの層に問い合わせることができ、サービス間の連携には認証付きAPI呼び出しを利用できる。リポジトリには、BIRDなどのtext-to-SQLベンチマーク向けの別の評価プロジェクトへの案内もある。
導入は技術チームを想定している。リポジトリにはバックエンド、データ取り込みサービス、フロントエンドが含まれ、PostgreSQLとpgAdminを使ったコンテナ構成でセットアップできる。Kubernetesでのデプロイについても文書化されている。推論にはNvidia NIMのエンドポイントを使い、Nvidiaのカタログ経由のホスティングか、利用者自身による実行を選べる。モデルと埋め込みの役割は環境設定で構成できる。
このプロジェクトは、画面から作成するデータベース接続と、デプロイ時に指定する接続の両方に対応する。Nvidiaの文書は、重要なセキュリティ上の点を指摘している。対応するVaultの構成を有効にしない限り、画面から入力した認証情報はPostgreSQLに平文で保存される。リポジトリにはシングルサインオンへの対応と、スクリプト、ノートブック、定期実行ジョブ向けのAPIトークンも用意されている。
文書によると、会話履歴の範囲は認証済みの利用者ごとに限定される。システムは、過去に完了した限られた数のやり取りを使い、文脈に依存する追加質問を単独で理解できるリクエストへ書き換えてから、text-to-SQLの処理に渡すことができる。生の結果セット、エラー、エージェント内部の思考は、この再利用するコンテキストには含めない。
Auto OntologyはApache License 2.0で配布される。Nvidiaによると、ソースコードと第三者に関する通知は公開されているが、現在は外部からの貢献を受け付けていない。今回の公開は、企業のAIチームに持続的なデータコンテキスト層を構築するための新たな部品を提供する。ただし、安全な導入には、認証情報、ID、ソフトウェアがアクセスする外部の資料を引き続き慎重に扱う必要がある。



