ブラウザーの操作部分が使える表示領域を変える

ScreenSize.netの新たなレポートは、ウェブデザイナーに実用的な注意点を示している。縦1080ピクセルのディスプレイでも、通常、ブラウザー内のページに1080ピクセルすべてが使えるわけではない。同サイトが測定した、条件を満たす832件のデスクトップセッションでは、最も一般的なビューポートは1920×920 CSSピクセルで、デスクトップの標本の11.7%を占めた。

差し引かれる縦方向の領域は、OSの操作部分、ブラウザーのタブ、アドレスバー、ブックマークなどのインターフェース要素に使われることがある。その結果、ページに使える領域は、モニターの仕様に記載された物理的な解像度とは異なる。ナビゲーション、フォーム、行動を促す要素をどこに配置するか決める開発者にとって重要な寸法は、ビューポートだ。ウェブページが利用できる領域を示すからである。

ScreenSize.netは、この数値が自サイトの訪問者についての観測結果であり、世界全体のデバイスやブラウザーの市場シェアの推計ではないと強調している。数値を読み解くうえで、この制約は重要だ。ビューポート測定サービスを訪れる人々は、インターネット利用者全体とは異なる可能性があり、標本数も多くはない。したがって、このレポートは、世界の画面サイズの決定的な順位表ではなく、透明性のあるサイトのデータセットであり、設計を考えるきっかけとして扱うのが適切だ。

モバイルの結果も、測定対象のアクセスの中では同様に特定の値へ集中している。最も一般的なモバイルのビューポート幅は400 CSSピクセルで、条件を満たす130件の標本の50.8%を占めた。デバイスピクセル比を分析した962件のセッション全体では、1.00倍の区分が57.7%で最多だった。各環境は個別に評価され、その環境の標本数がサイトの定める最低基準に達するまで、順位は表示されない。

プライバシーと品質管理

レポートによると、1つのブラウザータブから採取される標本は、1セッションにつき最大1件に限られる。測定値は丸められて月次集計の区分にまとめられ、Global Privacy ControlとDo Not Trackの信号も尊重される。ScreenSize.netは、このレポートのためにIPアドレス、ユーザー識別子、正確なタイムスタンプ、完全なユーザーエージェント文字列を保存することはないとしている。

また、公表する順位をゆがめる可能性が高い寸法も除外している。幅が6000 CSSピクセルを超える、または高さが4000 CSSピクセルを超えるビューポートは除外され、過去のデバイスピクセル比の値は0.05刻みに正規化される。明らかに異常な寸法は監査のため集計用ストレージに残されるが、順位には含まれない。

デバイスの分類は概略的なもので、ローカルで行われる。同サイトは、以前の分類機能がタッチ対応のデスクトップコンピューターをタブレットと誤認する可能性があったため、古いタブレットの標本を除外している。条件を満たす標本が少なくとも50件集まるまで、タブレットの分布は表示しない。

設計チームにとって、このレポートは、物理的な画面の規格表示がそのままブラウザーの表示領域に対応すると想定するのではなく、実測したビューポートの寸法に基づいてレイアウトを検証することを後押しする。ただし、すべてのサイトを1920×920や幅400ピクセルに合わせて最適化する根拠にはならない。ブレークポイントを決めるうえでは、製品自体のアクセス解析、利用者層、アクセシビリティー要件の方が、引き続き有力な根拠となる。ScreenSize.netの貢献は、より限定的だ。測定手法を公開し、ブラウザーのインターフェース、拡大縮小、デバイス分類が、よく使われる「1080p」という略記をいかに複雑なものにするかを示している。