Talorysというオープンソースプロジェクトが、個人ユーザーのCloudflareアカウント内で動く、セルフホスト型のパーソナルAIアシスタントを提供している。このソフトウェアは、会話機能に加えて、保存したメモリー、ノート、プロジェクト、タスク、予定に沿ったリマインダーをまとめて扱う。一方、開発者は、このサービス向けに別のサーバー、データベース、ユーザーアカウントを運用していないとしている。

同プロジェクトは、チームや不特定多数ではなく、1人の所有者による利用を想定している。`create-talorys`として配布されるインストールツールは、1つのコマンドでアプリをデプロイし、リソース名やデプロイ先URLなどの設定情報を含む`talorys`ディレクトリをローカルに作成する。プロジェクトの文書によると、この設定ファイルには秘密情報は含まれず、後の更新を容易にするため保持しておくべきだという。

Talorysは、エージェントとその永続的な状態の管理にCloudflare WorkersとDurable Objectsを使い、ユーザー向け画面はPagesでホストする。リポジトリでは、Cloudflareの無料枠を利用しやすい構成と説明され、R2、D1、KV、Vectorize、AI Search、Workflows、有料サービスのリソース作成を避けているとしている。ただし、実際に無料枠内で利用できるかどうかは、所有者の使用量とCloudflareの制限による。

インストールは繰り返し実行できる設計となっている。デプロイが中断された場合、同じディレクトリでコマンドを再実行すると、重複したリソースを作るのではなく、既存のリソースを照合して必要な状態にそろえる。更新時にはWorkerとフロントエンドを同じリソースに再デプロイし、所有者のパスワードとセッションを維持する。スキーマのマイグレーションは、アプリが次にリクエストを受け取った際に適用される。Durable Objectの名前空間はアップグレード後も保持される。

リポジトリには、Cloudflareへのログインなしで行うローカル開発の手順も記載されている。開発用コマンドでWorker、Pages Functionのプロキシ、Viteの画面を起動し、出力が決定的なモックAIプロバイダーを利用する。ローカルの状態はWranglerの開発用ストレージに保存される。貢献者向けに、テスト、型チェック、リンティング用のコマンドも用意されている。

データを持ち運べるよう、設定画面から会話、メモリー、タスク、ノート、プロジェクト、設定、自動処理を含むバックアップをエクスポートできる。プロジェクトによると、セッションと認証情報は含まれない。インポート時には検証のうえ、トランザクションとしてデータが統合され、同じバックアップを繰り返し読み込んでも問題が起きないことを意図している。使用状況パネルにはローカルでの推計値が表示され、正確な消費量を確認するためのCloudflareダッシュボードへのリンクもある。

Talorysはホスト型サービスではなくソフトウェアであり、運用の責任は所有者が担う。ユーザーは、自分のCloudflareアカウント、デプロイへのアクセス、自ら選ぶモデル設定を管理しなければならない。プロジェクトが主に訴えるのは、利用者が管理権を持てることだ。アプリのデータとインフラは利用者自身が選んだアカウントに置かれ、開発者はテレメトリーを収集しないと説明している。無料枠で使えるという位置付けはプロジェクト側の主張であり、あらゆる処理がプロバイダーの上限内に収まる保証ではない。