出来事の日付:2026年10月31日

Hacker Newsの投稿とコメントを対象とした新たな分析は、ソフトウェアが存在するだけでは必ずしも利用者の需要は満たされないと指摘している。このプロジェクトのランキングで最も頻繁に求められた製品アイデアの上位100件のうち81件は、すでにShow HNで紹介されていた。それでも、人々はそれらを求め続けている。

「Still Unbuilt」と名付けられたこのプロジェクトは、「こんなものがあればいいのに」「何かツールはありますか」「お金を払ってでも欲しい」といった表現を使った、2008年以降の投稿とコメント6万3,300件を収集したとしている。その後、人工知能による分類器が1万2,441件をソフトウェアへの要望と判定した。同サイトは、別々の議論の数、それらが登場した年、最近の需要に基づいて、抽出したアイデアを分類し、順位を付けている。元となったHacker Newsの議論へのリンクも掲載されている。

プライバシー、ローカル環境での管理、既存サービスをよりすっきりさせたものへの要望が目立つ。同プロジェクトによると、上位100件の要望のうち46件は主にローカルで動作するソフトウェアやプライバシーを守るソフトウェアを求めており、人工知能に作業を実行させることを主な要望としたものは8件にとどまる。上位10件のうち4件には、余分な機能を省いたWindows、ブラウザー、メールサービス、広告のない検索エンジンなどの製品に対し、料金を支払う意思が明示されていた。

ランキングに繰り返し登場する要望には、フィードから不要な内容を除外するツール、広告やテレメトリーのないFirefoxベースのブラウザー、一般的な標準規格に対応したプライバシー重視のメール、追跡のないすっきりした有料検索エンジンなどがある。そのほか、信頼できるクロスプラットフォームのメールクライアント、暗号化バックアップソフト、シンプルなRSSリーダー、非公開の個人用ナレッジ保管庫も繰り返し挙がった。

こうした分野の多くには、すでに多数の製品が存在する。分析では、上位のアイデアのうち開発済みと分類された81件に関連して、Show HNでの公開が1,423件あったと数えている。例として、コンテンツ管理システム、個人用ナレッジツール、記事要約ツールでそれぞれ数十件の公開が挙げられている。したがって、繰り返される要望は、ソフトウェアがまったく存在しないことではなく、価格、設計、信頼性、保守への不満を示している可能性がある。

同プロジェクトは、使い慣れた製品の改良版を求める方向への変化も報告している。2024年以降の要望の27%は、既存ソフトウェアのより良い版を求めており、2008~2011年の14%から増えたという。上位100件のアイデアのうち64件は、2012年以前に初めて要望されていた。これは、一部の好みが複数の製品サイクルを通じて持続してきたことを示唆している。

この結果は、ソフトウェア購入者を代表する調査ではなく、ある一つの技術コミュニティを対象とした探索的な分析として読むべきだ。収集方法は選ばれた表現に依存し、分類とグループ分けはAIシステムが行った。それでも、元の議論へのリンクがあることで、このデータベースは繰り返される不満を把握するのに役立つ。その最も明確な知見は、製品を公開することと問題を解決することは別だという点にある。既存の選択肢が、自分で管理できること、シンプルさ、プライバシー、価格に見合う価値への期待を満たさなければ、利用者は要望を出し続ける。