米国は、地球の軌道上に兵器を配備したことを初めて公に認めた。宇宙での軍事能力を米政府がどこまで公然と説明するかという点で、大きな転換を示している。トロイ・マインク空軍長官は、航空・宇宙・サイバー会議で「軌道上」の宇宙統制兵器の存在を明らかにし、敵対的な行動から米軍を守るためのものだと述べた。
マインク氏は、そのシステムの名称や仕組み、軌道に投入された時期を明らかにしなかった。米宇宙軍の報道官は、宇宙統制をより広い意味で説明し、敵の能力を妨害、低下、破壊できる、物理的な手段と非物理的な手段の両方を含むとした。報道官は、今回新たに存在を認めた能力は、統合軍司令官の指示により、攻撃任務にも防御任務にも使用できると述べた。
この表現では、技術的に幅広い可能性が残されている。英国王立防衛安全保障研究所のブレディン・ボーウェン氏はBBCに対し、このシステムは電子戦や電波妨害に関わるものとも考えられ、その場合、別の衛星に物理的な打撃を加えずに通信を妨害できる可能性があると語った。標的への衝突を目的とした、運動エネルギーを利用する飛翔体という可能性もある。ボーウェン氏は、当局がほとんど詳細を公表していないため推測にすぎないと強調し、破壊的な衝突は危険な軌道上の破片を生むと指摘した。
中国はこの公表を受け、宇宙での軍拡競争に警鐘を鳴らし、宇宙における軍事能力の拡大をやめるよう米国に求めた。米軍指導部はこれまでも、米国の衛星の保護を強化する必要性を訴える際、ロシアと中国の対宇宙能力の開発計画を挙げてきた。衛星は軍の航法、通信、監視、目標捕捉の中核を担っており、多くの民間サービスも軌道上のインフラに依存している。
今回の公表によって、大量破壊兵器が軌道上に配備されたと確認されたわけではない。1967年の宇宙条約は、核兵器やその他の大量破壊兵器を軌道上に置くことを禁じているが、あらゆる軍事システムや対宇宙能力を禁止しているわけではない。そのため主要国は、この条約が具体的に定める禁止対象には当たらない範囲で、衛星を妨害、機能停止、攻撃できる別の手段を開発してきた。
今回の発表は、米政府が計画中のミサイル防衛構想「ゴールデン・ドーム」の宇宙配備要素を重視する中で行われたものでもある。ドナルド・トランプ大統領は以前、宇宙軍が防御だけでなく攻撃の役割も担うと記した大統領令を出している。宇宙軍自体は、米国の宇宙資産の保護を組織的に担うため、2019年に創設された。
現時点では、マインク氏の発言の重要性は、技術の開示よりも存在を認めたことにある。米政府は、将来の宇宙統制能力の必要性を論じる段階から、兵器がすでに軌道上にあり、軍司令官が利用できると述べる段階へと進んだ。ただし、搭載プラットフォーム、標的、使用規則に関する情報がないため、独立した専門家は、その能力が実際にどこまで及ぶのか、また、他の宇宙機にどのようなリスクをもたらす可能性があるのかを評価できない。存在を認めたことは抑止力を強める可能性がある一方、激しさを増す軌道上の軍事競争を、より明白なものにもしている。



