フィンランドの人工知能インフラ企業Verdaは、Emergence Capitalが主導するシリーズBの資金調達で1億8900万ドルを調達した。データセンター、クラウドソフトウェア、グラフィックスプロセッサーの利用効率を高める研究にまたがる拡張に充てる。同社によると、今回の調達で評価額はユニコーン企業の水準となり、株式と負債による累計調達額は4億5000万ドルを超えた。
Verdaが挙げたほかの参加者には、MUFG Innovation Partners、Supermicro、Varma Mutual Pension Insurance Company、Lifeline Ventures、ENDUR、6 Degrees Capital、byFounders、Tesi、および個人投資家が含まれる。記事の資料として提供された発表では、評価額の詳しい条件は明らかにされていない。
Verdaは、単に計算資源を再販する企業ではなく、インフラ全体を手がける事業者と位置づけている。データセンターを設計・建設し、内部のインフラを運用するとともに、顧客がクラスターを用意してモデルを動かすためのプラットフォームを開発する。新たな資金で各層を強化し、複数地域で容量を増やす方針だ。
同社は現在、フィンランドでデータセンターを稼働させており、2027年中には250メガワットを超える規模を運用する見通しだとしている。欧州、英国、米国、アジアでも追加施設を計画している。また、今後数カ月のうちにNvidiaのVR200 NVL72システムの初期導入を見込む。これらは将来計画であり、建設、電力、ハードウェアの納入状況に左右される。
ソフトウェアでは、インスタンス、クラスター、ストレージを用意する速度を改善し、大規模推論向けのツールを拡充する計画だ。Instant Clusters製品では現在、Kueue、またはSlinky経由のSlurmを備えた設定済みKubernetesを提供している。同社によると、マネージドKubernetesとS3互換オブジェクトストレージも開発計画に含まれる。最近追加した企業向け機能には、監査ログ、ID管理用のシングルサインオン、Nvidia HGX B300またはB200アクセラレーター8基を用いるコンフィデンシャルコンピューティング構成がある。
Verdaは、2026年7月の売上高を年換算すると1億6500万ドルに相当し、ヘルシンキ、ロンドン、台北、サンフランシスコで250人以上を雇用していると報告した。50カ国以上の顧客が同社のインフラを利用しているという。具体例として、研究計算に使うAleph Alpha、メディア生成に使うMagnific、放射線画像診断モデルの学習に使うEpsilon Healthを挙げている。これらの事業・顧客に関する数字は同社の資金調達発表に基づくもので、提供された資料には独立した監査による裏付けはない。
投資の一部は、GPUの稼働率、推論の最適化、カーネルエンジニアリングに取り組む社内組織、VerdaのAI Labを支える。同社によると、この研究組織は実際の研究処理を試し、顧客が現場で直面する課題をインフラ設計と製品開発に反映させている。
今回の調達によりVerdaは、世界的なクラウド事業者が支配する市場で、欧州を拠点とする選択肢を育てるための多額の資金を得た。次の課題は、AIの学習と推論への需要が急速に変化し続けるなか、意欲的な容量拡張・製品計画を信頼性の高いインフラとして実現することだ。



