発生日:2026年6月14日。
規格に準拠した電子書籍がKobo端末で開けない理由を調べていた出版社は、ほかの読書ソフトでは受け付けられるものの、Adobeベースのレンダリング経路では拒否されるCSS宣言が原因だと突き止めた。アンドレ・クラインは、新刊が複数世代のKobo端末で破損しているように見えるとの読者からの報告を受け、この事例を記録した。
クラインは、EPUBパッケージ用の適合性検査ツールとして広く使われているEPUBCheckのルールセット3.3で、ファイルを検証済みだった。また、該当する検査に合格したEPUB 2版も提供したが、Koboでの不具合は解消しなかった。本人の説明によると、同じ内容はKindle、Apple Books、Thoriumでは開くことができた。これは、Koboでは読み込めなかったものの、そのパッケージがあらゆる環境で読めないわけではないことを示していた。
Koboが標準EPUBファイルにAdobeのReader Mobile Software Development Kit(RMSDK)を使用しているため、調査対象はAdobe Digital Editionsへ移った。Digital Editionsでも不具合が再現したが、有用な診断情報は示されなかった。書籍は表示されなかったにもかかわらず、後に再びインポートしようとすると、すでに追加済みだと表示された。この挙動を受け、クラインは、それ以外の点では有効な書籍のコピーを繰り返し簡略化しながら原因を切り分けた。
フォルダー、メタデータ、識別子、アーカイブ構造、そのマニフェストを変更しても問題は解決しなかった。スタイルシートを無効にすると解決した。そこでクラインは、CSSをより小さなまとまりに分割し、障害を引き起こす最新のサイズ指定ルールを特定した。それを旧式の宣言である`max-width: 150px`に置き換えると、Adobe Digital Editionsで書籍を開けるようになった。提供された説明には独立した互換性試験が含まれていないため、この結果は、この特定の書籍について再現可能な診断と捉えるのが最も適切である。
クラインは、より根本的な欠陥は、単にレンダラーが最近のCSS機能に対応していないことではないと主張する。CSSパーサーは認識できない宣言を無視することが期待されているが、この経路では電子書籍全体がエラー表示なしに読み込めなくなった。EPUBCheckはパッケージを検証し、CSSの構文を調べることはできるが、すべてのリーダーが有効だが未対応の宣言を正しく処理することまでは保証できない。したがって、適合性試験への合格は、この実装での挙動を予測できなかった。
説明の更新で、Koboには第2の経路があることが判明した。標準の`.epub`ファイルはAdobeのエンジンに送られる一方、`.kepub.epub`という拡張子のファイルは、Koboが保守するWebKitベースのレンダラーを使用する。この違いにより、基になるコンテンツが同じでも、形式上の経路に応じて異なるレンダリング動作に遭遇する可能性がある。クラインは、読者が元の不具合に直面しないよう改訂版を公開した。
この一件は、電子書籍制作者にとっての実務的な教訓を明確にしている。不正なパッケージを検出するために検証は引き続き必要だが、ストアや端末が古いエンジンに依存している場合、互換性試験は別の工程となる。EPUBCheckで問題がないにもかかわらずKoboの書籍が動作しない場合、Adobe Digital Editionsでテストし、スタイルシートを縮小していくことで、正式な検査ツールでは報告できない実装固有の問題が明らかになる可能性がある。



