サントメ・プリンシペでは2026年9月27日、雇用の乏しさと若者の国外流出が続くことへの懸念を背景に、議会選挙と地方・自治体選挙の投票が行われた。ギニア湾に位置するこの小さな島国で、7つの政党が国民議会の55議席を争った。
選挙では、ADIとして知られる与党・独立民主行動が、サントメ・プリンシペ解放運動(MLSTP)などの挑戦を受けた。両党はいずれも同国の主要な政治勢力だ。投票によって議会の構成が決まり、同国の議会制の下で、次の政府の成立とその方向性にも影響を与えることになる。
経済的な機会が選挙戦の中心的な課題となった。住民からは若い世代に将来の展望が乏しいとの声が聞かれ、多くの若者が仕事とより安定した将来を求めて海外に目を向けている。主要政党は投資を呼び込む必要性ではおおむね一致していたが、有権者は統治や経済発展に向けた各党の異なる方針を選ぶことになった。
国外移住の規模は、国の行方を左右する懸念となっている。選挙報道で引用された世界銀行の2025年の推計によると、海外で暮らすサントメ・プリンシペ出身者は約4万人で、同国の人口の少なくとも18%に当たる。最大の移住先は旧宗主国のポルトガルで、アンゴラとガボンが続く。次の政治指導部がこの流出を抑えるには、雇用に関する公約を、国内で実感できる機会へと変えていく必要がある。
サントメ・プリンシペの人口は約21万人。同国の経済は、カカオ、コーヒー、バニラ、コショウなどの農産物から多くの収入を得ている。経済基盤が限られるため、投資、雇用創出、経済の強靱性がとりわけ重要となる一方、国外移住によって成長に必要な労働力や技能が失われる可能性もある。
今回の選挙に先立つ7月の大統領選では、現職のカルロス・ビラ・ノバ氏が第1回投票で当選を決めた。ただ、その選挙は市民の政治参加に関する警告も示した。選挙報道によると、有権者の59%が投票を棄権した。このため、日曜日に行われた今回の選挙では、議席配分とともに投票率や政治への信頼も重要な指標となった。
この島国は1975年に独立し、その後、複数の政治勢力が競い合う議会制民主主義へと発展した。2022年に軍が鎮圧したものを含め、クーデター未遂を経験しているものの、アフリカでも比較的安定した政治体制の一つと広く見なされている。こうした歩みを背景に、今回の選挙では日々の経済的な負担に大きな焦点が当たり、平穏な形で選択が行われた。
確認できる投票日当日の報道には結果が含まれていなかったため、この時点での焦点は勝者の確定ではなく、投票そのものにあった。どの連立勢力や政党が議会の主導権を握るにせよ、国民からの明確な課題を引き継ぐことになる。それは、より多くの若いサントメ・プリンシペの人々が国内で将来を築けると考えられるよう、雇用と投資を十分な速さで拡大することだ。



